2014年8月31日日曜日

中国人観光客が各国の「福の神」:消費の海外流出が深刻化、バブル期の日本に酷似

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レコードチャイナ` 配信日時:2014年8月31日 16時34分
http://www.recordchina.co.jp/a93398.html

中国人観光客が各国の「福の神」に、消費の海外流出が深刻化―中国メディア


●28日、中国人海外旅行者の数が急速に増加するにつれ、ますます多くの中国人が異国情緒を体験すると同時に、大量の時間とお金を買い物に費やしている。写真は韓国の中国人観光客向け割引表示。

 2014年8月28日、中国人海外旅行者の数が急速に増加するにつれ、ますます多くの中国人が異国情緒を体験すると同時に、大量の時間とお金を買い物に費やしている。
 中国人観光客の太っ腹な行為は現地の市場経済を潤している。
 しかし、国内消費の海外流出は、内需の発展にマイナスの影響を与えている。
 これについて専門家は、
 「現在、中国は経済の構造調整を深化させ、技術革新を奨励し、「メイド・イン・チャイナ」の質とクラスを高めなければならない。
 これによって海外流出している富が海外から国内に戻ってくる」
という見方を示した。
 人民日報海外版が伝えた。

■国内で稼いだお金を、海外で使う中国人

 中国人が裕福になるにつれ、海外旅行は一種のファッションと化した。
 しかし、多くの人々にとって海外旅行の主要な目的は、観光ではなく、買い物となっている。
 中国人観光客は国内で一生懸命稼いだお金を海外のショッピングセンターで豪勢に使っているのだ。
 最近、韓国の済州島旅行に行ったというOLの陳さんは、
 「海外旅行のツアー代金は数千元だったが、買い物に2万元(約34万円)以上を使った」
と語った。
 すでに海外旅行に何回も行っている北京市民の姜(ジアン)さんは、
 「海外旅行では、観光ではなく、買い物をしている」
と語る。

 免税手続きサービスで世界最大手のグローバルブルーがこのほど発表した研究データによると、中国の観光客が昨年世界各国の免税店で行った買い物額の増加率は3分の1近くに達し、
 免税店の総売り上げの約27%近くに達したという。
 これは、世界のトップを占めている。
 中国の観光客の巨大な消費力は現地に莫大な経済効果をもたらしている。
 人気の観光国とは言えないニュージーランドを例に挙げると、中国の観光客による買い物の売上は2012年に6億5100万NZドル(566億1000万円)に達し、2013年3月から2014年の3月までの間に、この数字はさらに8億6900万NZドル(755億7000万円)にまで伸びている。

 世界経済の景気回復が遅れ、各国の内需の不振が叫ばれるなか、中国人観光客は現地の福の神として引く手あまたとなっている。
 これを受け、各国は相次いで中国の観光客を呼び込む政策を打ち出している。
 ニュージーランドのジョン・キー首相は中国をテーマにしたホテルの建設を呼びかけ、
 フランスの内政部長は、中国とフランスの警察が協力して中国人観光客の安全を保護するよう提案した。
 ロンドン市長はBBCの番組に出演した際に、
 「中国人に対するビザの緩和政策を早く実行しなければ、英国人のビジネスはすべてフランス・パリに奪われるだろう」
と語った。

■消費の海外流出が進む

 中国人はなぜ海外で買い物をすることを好むのか?
 業界内の関係者は、
 「要因は多方面にわたる。うち、国内外で販売している海外ブランドの質の違いも重要な要素の1つである」
と指摘する。

▼中国商務部(省)研究院消費経済研究部の趙萍副部長のコメント

 1つ目は、中国で製造した多くの製品の質が海外で製造したものよりもかなり劣ること。
 さらに、海外で買い物をする多くの人は、ハイエンド商品や贅沢品を求めていること。
 これらの商品の多くが国内では販売されていない、あるいは取り扱っている量が決めて少ないことが、消費の海外流出の大きな要因の1つとなっている。

 いずれの消費行動においても、価格は常に消費者にとって最も敏感な要素となる。
 もし類似商品の国内外の価格差が旅行代よりも大きい場合、消費者はおのずと海外で商品を購入することを選択する。
 多くの海外旅行客は自分が買ったものが「メイド・イン・チャイナ」だと明らかにわかっていても、この場合この流れは止められない。

 北京の某旅行会社で勤務する劉(リウ)さんは、
 「海外で買い物をする観光客らは、海外の免税店で販売している商品が国内よりもはるかに安いことを知っており、これが人々を海外旅行に向かわせている」
と率直に語る。

 元高により、中国人観光客はさらに容易に海外で豪勢に買い物をするようになった。
 天津財形大学国貿学部の楊珍増(ヤン・ジェンズン)講師は、
 「元高は国内消費者の海外での購買力を増強させ、中国人はより一層国外でお金を使いたがるようになった」と語る。
 専門家も、
 「国内外の消費体験やサービス業の水準には今も大きな開きがある。
 一部の人は自国文化に対する自信喪失から、海外商品に憧れの気持ちを抱いている。
 これもまた、消費の海外流出という現象をもたらす、無視できない要因の一つとなっている」
という見方を示す。

■消費の国内回帰を促すチャンネルを開拓

 現在、中国は経済構造やビジネスモデルの転換期を迎えており、成長の原動力も伝統的な投資や輸出促進から消費促進への転換を図っている最中であるため、目下の急務は内需拡大だ。
 これについて、専門家は
 「このような状況下で、政府は国内の消費者需要の導入、開拓、調整を行わなければらない。
 また、海外から消費を国内に戻すために多くの措置を採らなければならない」
と指摘する。

▼業界関係者の提案

 まず、経済の構造調整の深化を進めるとともに、研究開発投資を増大させ、技術革新を奨励し、なるべく早く、安くて質の悪い「メイド・イン・チャイナ」を質の高い「クリエイテッド・イン・チャイナ」にグレードアップさせ、中国のクリエイティビティを世界経済産業チェーンの中でハイエンドに移行させることで、国内外消費者の中国製品に対するイメージを適切に高める。

 次いで、流通システム改革を加速化するべきだ。
 趙萍副部長も指摘するように、海外と国内商品の価格差は非常に大きな消費海外流出の要因となっている。
 そして、中国商品の流通構造の複雑さがコスト高の一因となっており、最終的に非常に割高な流通コストが商品の価格に反映されていることで、競争力の低下をもたらしている。
 そのため、政府は企業に自社工場で製造したものを直営店舗で販売する一貫した生産・流通システムを築くよう奨励し、国内商品のブランド力とビジネスモデルの建設を強化すべきだ。海外と手を結び、外資系ブランド品を取り扱う高級代理販売店やブランド企業と直接交渉し、代理店や流通でかかるコストを極力抑えるべきだ。

 専門家は、
 「国際貿易ルールを上手く利用し、
 積極的に斡旋しながら、先進諸国の中国へのハイテク技術やクリエイティブな商品の輸出規制を緩和させ、
 既存の貿易ルートを広げ、
 さらに多くの海外の優れた商品が中国市場に入ってくるように促進し、
 中国消費者が国内でハイエンドな外国商品を購入できるようにするべきだ」
という見方を示した。
(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月1日 7時40分
http://www.recordchina.co.jp/a93491.html

増加する訪日中国人観光客、減少する訪中日本人観光客
=「日本人の方が現実的」の声―中国メディア

2014年8月30日、日中関係はここ数年、悪化の一途をたどり、両国民の相手国に対する好感度は氷点にまで落ち込んでいる。
だが、中国人観光客の訪日ブームにはそれほど大きな影響は及んでいない。
中国評論網が伝えた。

 日本政府観光局の統計によると、2003年の訪日中国人は44万8700人だったが、2008年に100万人を突破。
 2010年には141万2800人となった。
 2011年3月の東日本大震災と福島原発事故により、同年の中国人観光客数は104万3200人にまで減少した。
 だが、翌12年には142万5200人に回復。
 13年には再び減少に転じ、131万4400人となった。
 14年に入ると、1月から7月の各月で、平均して前年比70%増という驚異的な伸びを見せており、累計ですでに129万300人に達している。
 日本の観光業界は「中国人による訪日旅行市場はすでに回復した」と判断。
 リピーターの増加や個人旅行の増加、円安などがその要因だと指摘している。

 これとは対照的に、
 訪中日本人観光客数は2010年の373万1200人を境に毎年減少を続け、
 2013年には287万7500人を記録。
 14年の1月から7月までの累計は152万1100人と、前年比7.1%のマイナスとなった。
 その原因に「中国の大気汚染」を挙げる声もあるが、訪韓日本人観光客も大幅に減少していることから、最大の原因は日中・日韓関係の悪化にあるといえよう。

 中国人は歴史問題を重視しているとはいえ、歴史問題と現実問題を区別して考えることが可能だ。
 一方、日本のメディアは
中国の食品問題や
大気汚染、
中国人観光客の日本での商品買占め、
中国軍機の異常接近、
レアアースの輸出制限、
反日デモ
などを熱心に報じている。
 このことから、日本人は中国人よりも現実問題を直視しており、政治にも関心を払っていることが分かる。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月1日 13時55分
http://www.recordchina.co.jp/a93532.html

日中関係悪化も増える中国人観光客
=「反日は政府のプロパガンダと中国人も見抜いている」―日本ネット

  2014年9月1日、日中関係が悪化する中、両国の観光客の動向は対照的だ。
 日本政府観光局の統計によると、日本を訪れる中国人観光客は、11年3月の東日本大震災により104万3200人にまで落ち込んだ。
 だが翌年から回復傾向を見せ、今年は1月から7月の各月平均で前年比70%増と驚異的に伸びている。

 一方、中国を訪れる日本人観光客は2010年の373万1200人を境に毎年減少を続け、13年には287万7500人、14年1月から7月までの累計は152万1100人と、前年比7.1%の大幅減となっている。

 中国旅行を敬遠する日本人と訪日ブームの中国人。
 この話題について、日本のネット上には次のようなコメントが書き込まれている。

 「日本では、政治問題は別にして中国人観光客でも温かく迎えている。
 一方の中国では、タクシーで差別されたり、日本人と分かるとイジメられたりするケースも聞こえている。
 要は民意として差別を止めて、国を挙げて歓迎されるか否かの差。
 嫌な思いをしてまで行く気はない」

 「(日中関係が悪化している)この状況で来日者数が増えることが異常
 「日本人の訪中の方がいまだに多いという現実」(....???....解釈わからない)

 「両国民とも現実的な判断をしている。
 日本人にとって中国の環境問題や反日問題は深刻だが、中国人にとっての
日本の問題は、そのほとんどが共産党のプロパガンダに過ぎない
ことを見抜いているのだろう」



サーチナニュース 2014-09-02 20:55
http://news.searchina.net/id/1542432

訪日中国人の増加、報道に対する「3パターン」の反応とは=中国版ツイッター

 日本の華字メディア・日本新聞網は中国版ツイッター・微博(ウェイボー)上で8月24日、今年1―7月の訪日中国人観光客数が前年同期比40%増の129万人に達し、年間トータルで初めて200万人を超える可能性があるとするデータを日本の観光庁が発表したと報じた。

 これに対して、微博のユーザーたちは大まかに分けて3パターンのタイプのコメントを残した。
1].
 まずは、日本との関係が緊迫化する中で訪日中国人が増えていることへの疑問や不満を含んだものだ。
  「浅ましい人がなんと多いことか」
 「中国人民が歴史に背くような国に行くなんてあり得ない」
 「もし日中が戦争をしたら、売国奴が一気に200万人に増えるということだ」

2]. 
 次に、中国を訪れる日本人観光客数の変化と対比するコメント。
 中国国家観光局は先日、今年上半期の訪中日本人累計数が前年同期比7.5%減の129万4600人だったことなどを示す統計データを発表した。
 「中国にやってくる日本人の数は減少しているのにな」
 「はたしてどっちが聡明で、どっちが愚かなのだろうか」  

3].
 そして最後に、日中関係は冷え込んでいるものの、それでも日本は訪問するに値する魅力的な場所であるという意見だ。
  「日本に行ったことがある近所の人や同級生はみんな良かったって言う。
 機会があったら遊びに行ってみたい」
 「理由は簡単だ。
 日本は山青く水清らかで、人びとのモラルも高い。
 ニセモノ商品なんてないもの」

  日本旅行から帰ってきた中国人ネットユーザーはしばしば、その感想を綴るのに
 「日本というのは行くまでは罵倒の対象だが、実際に行くと賛美ばかりしながら帰ってくることになる」
といった言葉を用いる。
  政治的な問題から日本に対してネガティブな印象を持ったり、ときには罵倒したくなる気持ちも分からなくはないが、できることなら一度日本を訪れてから罵倒してもらいたいものだ。
 もちろんそれは、日本人の中国に対する態度でも同じことが言えるのだが。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月17日 16時12分
 http://www.recordchina.co.jp/a94367.html

8月訪日外国人客、過去最高の111万人
―連続トップの中国は前年比56%増、1 ~8 月で年間記録突破

2014年9月17日、日本政府観光局(JNTO)の発表によると、今年8 月の訪日外国人客は、前年同月比22.4%増の111 万人と、これまで8 月として過去最高だった2013 年(90 万6 千人)を20 万3 千人上回った。
1 ~8 月の累計では、前年同期比25.8%増の863 万8 千人となった。

夏の旅行需要喚起のためのプロモーションが奏功したことに加え、航空便の増便・チャーター便就航による航空座席供給量の増加、大型クルーズ船の寄港などが、訪日外国人客の増加につながった。

国別では、
中国が7月に続きトップで、前年同月比56%増の25万3900人。
以下、韓国(25万1400人)、
台湾(22万9000人)、
香港(7万4900人)、
タイ(2万9400人)
の順。

  中国は1 ~8 月の累計で前年同期比84%増の154万2400人となり、年間の過去最高(2012 年:142 万5 千人)を既に上回った。



レコードチャイナ 配信日時:2014年11月17日 8時36分
http://www.recordchina.co.jp/a97497.html

中国人の海外旅行が活況、中国のホテル業界が海外進出を加速―米紙

 2014年11月12日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国人の海外旅行が急増していることや競合が激しい中国市場の伸び悩みにともない、中国のホテル業界が海外でホテル買収など不動産投資に注力している。
  14日付で中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。


 中国の上海錦江国際集団はフランスのスターウッド・キャピタル・グループから欧州第2のホテルグループであるルーブル・ホテルズ・グループを買収することを発表した。
 買収額は約12億ユーロ(約1740億円)になるとみられる。

 総合不動産サービス大手ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)によると、中国の投資家が中国人観光客に人気のある海外都市のホテルや不動産に大金を投資している。
 JLLホテルズ&ホスピタリティグループのスコット・ヘザリントンCEOは、
 「欧米やアジアの多くの都市は中国からの直行便が就航したことによって利益を得ている。
 もともと中国人が大きな影響力を持っていたが、直行便の就航によってさらに多くの中国人観光客や投資家を引きつけるようになった」
と指摘した。
 アナリストは
 「中国企業は中国人観光客のニーズや好みを熟知しているため、これを利用してさらに多くの業務や企業を誘致することが可能になる」
と分析している。

 中国のホテル業界が積極的に海外への投資を増加させたり、海外のホテルを買収する背景には、中国市場の成長の落ち込みをカバーする目的がある。
 中国ではホテルの供給過剰が原因で稼働率や収入の伸びが低下し、ホテル業界は以前ほど景気が良くない。
 そのため、多くの企業が中国人海外旅行者急増に伴うビジネスチャンスを求め、経営の多様化を模索している。


 バブル期の日本も海外ホテルを買収していた。
 だが、弾けた途端に二束三文で売り払って撤退した。
 お金だけを世界にばらまいていた。
 中国もそれに似てきたようである。




【描けない未来:中国の苦悩】



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日本の潜水艦建造技術とは(1):リチウム電池型隠密艦、オーストラリア導入の動向

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そうりゅう型潜水艦

2012/06/24 に公開
艦番号:SS-501
艦名:そうりゅう
建造:三菱重工業 神戸造船所


潜水艦 そうりゅう型 ずいりゅう SS-505 ヨコスカサマーフェスタ2014

2014/08/02 に公開
海上自衛隊 第2潜水艦群 そうりゅう型 ずいりゅう SS-505 シーンです。

潜水艦 じんりゅう SS-507 海上自衛隊 そうりゅう型

2014/10/08 に公開


本日、神戸にて進水したじんりゅうです。じんりゅう(ローマ字:JS Jinryu, SS-507)は、海上自衛隊の潜水艦。そうりゅう型潜水艦の7番艦。艦名「じんりゅ­う」は仁愛の徳を持つ龍に由来する。建造費は545億8千万円。

ロイター 2014年 08月 29日 11:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GT06220140829/

防衛省がより隠密性高い潜水艦建造へ、リチウム電池を搭載 


● 9月1日、潜水艦の新造を計画するオーストラリアが、川崎重工業と三菱重工業 に建造を発注し、完成品を輸入する方向で日本と協議していることが、複数の関係者の話で明らかになった。
写真は海上自衛隊の「そうりゅう型」潜水艦(2014年 ロイター/Japan Maritime Self-Defense Force/Handout via Reuters)

[東京 29日 ロイター] -
防衛省は、2015年度から隠密性のより高い潜水艦の建造に着手する。
鉛蓄電池に代えてリチウムイオン電池を搭載し、長期間の潜航を可能にする。
浮上回数が減ることで、これまでよりも敵に発見されにくくなる。

日本は中国の海洋進出をにらんで潜水艦を16隻から22隻体制に増強中。
14年度に続いて15年度も1隻建造する計画で、概算要求に644億円の費用を盛り込んだ。
14年度予算に計上した建造費517億円から100億円以上高くなる。

費用を膨らませる主要因は、新たに搭載するリチウムイオン電池。従来の潜水艦は、浮上中にディーゼルエンジンで航行して鉛蓄電池に充電、潜航中は蓄えた電気を動力源にしている。
さらに潜航期間を伸ばすため、空気を必要としない推進機関「AIP」を積んでいる。

鉛蓄電池とAIPを設置している空間に大型のリチウムイオン電池を積むことで、これまで最大2週間程度だった潜航期間が「格段に伸びる」(防衛省関係者)という。
建造費や維持管理費を含めた、15年間使用した場合のライフサイクルコストは、現行の1000億円よりも安くなる見込みだという。

日本のディーゼル潜水艦は静穏性や潜航能力に優れているとされ、オーストラリアが導入に関心を示している。



ロイター 2014年 09月 1日 18:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GW1S020140901/

豪の次世代潜水艦を日本で建造、両国が協議=関係者

[東京/シドニー 1日 ロイター] -
潜水艦の新造を計画するオーストラリアが、川崎重工業 と三菱重工業 に建造を発注し、完成品を輸入する方向で日本と協議していることが、複数の関係者の話で明らかになった。
日本はオーストラリアの予算と仕様に応じた艦を造る意向で、両国は年明けにも合意する可能性がある。

日本の武器輸出は部品にとどまっていたが、実現すれば完成品を海外に売却する初のケースとなる。

■<開発リスクを敬遠>

オーストラリアは2030年代初めに潜水艦の世代交代を計画。
しかし、独力で設計・建造する能力に乏しく、
1).完成品を輸入、
2).他国からライセンスを取得して自国で生産、
3).エンジンだけを輸入して自国で生産、
4).他国の技術協力を仰ぐ
──のいずれかを検討している。

複数の日豪関係者によると、最有力案として議論しているのが完成品の輸入。
オーストラリア政府の依頼を受けた米ランド研究所は昨年、国内での建造には設計者と技術者1000人が必要との試算を報告した。
実際に動員できる5倍以上の規模だった。

財政支出の削減に取り組むオーストラリアは、最も効率的な手法で潜水艦を調達したい考え。
かねてから技術導入先として関心を寄せていた日本に建造を発注する案が優勢になりつつあるという。

オーストラリアは自国で開発して失敗するリスクを取りたくない
と、日豪間の交渉を知る関係者は言う。
完成品で最も良い潜水艦はどこかと探したら、日本のものだった
と話す。

今年7月に豪国防省がまとめた報告書は、潜水艦の建造計画について
「国内で建造すべきかどうか重要な議論が行われている。
この問題は利点だけでなく、コストやリスク、スケジュールも勘案しなくてはならない」
と、海外で建造する可能性を示唆している。

■<日本の関係者が施設を視察>

日本のそうりゅう型潜水艦はディーゼルエンジン型として世界最大。
潜航期間が2週間程度と長い上、静穏性に優れているのが特徴で、敵に見つかりにくいとされている。
オーストラリアは現有のコリンズ級よりも大きな4000トンクラス、海中での航行距離が長いディーゼル潜水艦を求めており、条件に一致する。

しかし、そうりゅう型は1隻およそ500億円と価格が高く、オーストラリアの予算を上回る。
日本側も、潜水艦という秘匿性が高い防衛装備品で全く同型のものを輸出することには海上自衛隊が難色を示している。

関係者によると、日本の防衛省はオーストラリアの予算と要求に合わせて仕様を変えた潜水艦を提案する見通しだという。

両国は現在、月に1度のペースで協議を重ねている。
8月中旬には防衛省幹部と川崎重工、三菱重工の関係者がオーストラリアを訪れ、アデレードにある関連施設などを視察した。

オーストラリアは来年前半に見直す国防白書に、建造する潜水艦のタイプや隻数を盛り込む予定。
関係者によると、協議が順調に進めば両国は年明けにも合意に至る可能性があるという。

「オーストラリアと日本の協議は加速している」
と、関係者は話す。

ロイターの取材に対し、日本の防衛省は
「二国間の防衛協力の強化に向け、装備技術協力についても様々な意見交換をしているが、具体的な回答は差し控えたい」
とコメント。
川崎重工と三菱重工は両社とも、政府が決めることであり、「コメントする立場にない」としている。
オーストラリアの国防省は「設計、建造についてまだ何も決まっていない」との見解を示している。

■<トヨタ撤退以上のインパクト>

問題は、海外で建造する案に対し、オーストラリア国内で反発が強いことだ。
潜水艦の整備施設がある南オーストラリア州のマーチン・ハミルトン・スミス防衛産業相は、フォード・モーター やトヨタ自動車、ゼネラル・モーターズ が生産から撤退した以上に政治的な議論を呼ぶと警告。
経済的な影響も大きいと指摘する。

同相によると、南オーストラリア州で防衛産業に携わるのは2万7000人。
うち3000人が造船業に関っている。
次世代潜水艦の建造は、30年間で2500億豪ドルの経済効果が期待できるという。
「海軍と連邦政府が決めることとは承知している。
しかし、日本、ドイツ、スウェーデン、どこの国と組もうが、ここで造ることは譲れない」
と、同相は言う。

一方、日豪の関係者によると、オーストラリア政府は整備を国内で手がけることを考えているという。

日本は4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛移転三原則を導入した。
これまでに決まった主要案件は、米国へのミサイル部品の輸出と、英国との戦闘機用ミサイル共同研究。海難飛行艇US2の輸出や現地生産をインドと協議しているが、まだ最終合意に至っていない。

(久保信博、ティム・ケリー、マット・シーゲル 編集:田巻一彦)



サーチナニュース 2014-09-28 12:00
http://biz.searchina.net/id/1544477?page=1

三菱重工業と川崎重工業が製造する「そうりゅう型」通常潜水艦のオーストラリア向け輸出が年内にも正式決定か

■インド、ベトナム、インドネシア向けにも輸出が期待され、業績面での寄与が期待され株価を押し上げる要因に
三菱重工業 <7011> と川崎重工業 <7012> は、日本の通常潜水艦「そうりゅう型」の製造を手掛けている。
この潜水艦はスターリングエンジンを搭載し、静寂性や機動性、潜行性など、いずれも世界トップの性能を誇る。
この「そうりゅう型」潜水艦が年内にもオーストラリアに10隻輸出する可能性が高くなってきた。
これまでオーストラリア政府はドイツから通常潜水艦を購入する予定だったが、日本に変更することになったのは、
★.「そうりゅう型」の性能が群を抜いて優れていることと、
★.また日本の武器輸出三原則が緩和されたことによる。

潜水艦の技術力は原子力潜水艦ではアメリカがナンバーワンだが、
通常型潜水艦は日本の右に出る国はない。
原子力潜水艦は一度、潜航すると1年以上も浮上することはなく、作戦行動を展開できる。
一方、通常型潜水艦は数日間しか潜航できない
ところが、この「そうりゅう型」は最大で約2週間は潜航できる性能を持っており、戦略上の問題点は払拭されたという。

   また、オーストラリア政府が潜水艦増強に乗り出した背景に、最近の中国海軍の動きがある。
同政府は中国海軍の脅威に立ち向かう必要性から、早急に手を打つことにしたようだ。
こうした事情はインドやベトナムも同様で、両国の海軍、とりわけ潜水艦の増強に前向きだといわれている。
さらにインドネシアは韓国から潜水艦を購入したが、故障が多く、最新鋭の潜水艦の購入に乗り出しており、いずれの国も日本の「そうりゅう型」購入に強い意欲を示しているようだ。

また、安倍首相は東シナ海、南シナ海、さらにインド洋における中国の覇権拡大を抑制するために日本とオーストラリア、ハワイ(米国)、インドを結んだ「ダイヤモンドセキュリティ構想」を構築して、自由航行という海洋権益を保護すべきだと主張している。
   こうした流れから「そうりゅう型」潜水艦はオーストラリアにとどまらず、各国の戦略的ニーズに応えるため、輸出拡大の可能性が出てきた。
ちなみに日本の14年度国家予算で「そうりゅう型」10番目艦建造に約513億円が計上された。
一方、オーストラリア向け10隻の契約額は約2兆円と伝えられている。
もちろん、武器輸出に対して日本国内からの反発が予想されるだけに、単純な話ではないが、最近の中国海軍の強引な覇権活動を勘案すると、日本の潜水艦が世界で活躍するということが単なる「夢物語」と簡単に片づけることはできない。

いずれにしても、この潜水艦を製造している三菱重工業の業績は絶好調で推移。
2015年3月期は前期比19.4%の増収、同25.6%の経常増益が見込まれ、経常利益は史上最高益を更新する見通しである。
株価は先週752円まで買い進まれ、1月26日の730円に急接近する場面があったが、目先目標達成感が出て、結局706円で引けた。
一方の川崎重工業も三菱重工業ほどの伸び率ではないが、同0.9%増収、同8.9%経常増益が見込まれ、経常利益は史上最高益を更新する。
株価は先週449円まで上げ、引けは445円と頑強な動きに終わった。
   PERは三菱重工業が約18倍、川崎重工業は約17.5倍と、超割安とはいえないが、「そうりゅう型」潜水艦の輸出という材料は株価に依然、織り込まれておらず、上値余地は充分あると見られる。
当面の目標はPER20倍として三菱重工業が770円前後、川崎重工業510円を目指すものと期待される。


もしオーストラリアが日本への潜水艦発注を行うなら、中国は高速鉄道の購入を迫ってくるだろう。
オーストラリアはおそらくこれをこばめない。
高速鉄道の方が金額は大きくなる。
日本が政治軍事をとり、中国が経済をとるという図式はありえる選択である。
オーストラリアはその運営を自国でする形になるだろう。
さすれば安く建設してくれる中国に発注することに文句はない。
メンテナンスなどは自国で行うであろうから、あくまで建設するだけ、ということになる。
なら安い方がいいに決まっている。


ロイター 2014年 11月 12日 07:48 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0IV0TM20141111

日本からの潜水艦建造計画、豪政府に入札求める圧力強まる

[シドニー 7日 ロイター] -
オーストラリアの次世代潜水艦の建造計画をめぐり、日本から完成品を輸入することを検討しているアボット豪首相に対し、入札実施を求める声が州政府や労働組合、与党内部から強まっている。

ロイターは9月、オーストラリアが最大12隻の潜水艦を日本から購入する方向に傾いていると報じた。
米国も3カ国の海軍の連携が強化されるとして、オーストラリアが日本から輸入することを支持している。

しかし、欧州メーカーが強い関心を示しているオーストラリアでの建造案は、豪国内の産業支援につながる上、労働組合からの批判もかわせる選択肢であることから、海外から購入する案を厳しい立場に追い込もうとしている。

南オーストラリア州のマーク・ハミルトン・スミス防衛産業相は、日本からの潜水艦購入計画は、アボット首相が次の選挙で権力を維持することを難しくする可能性もある、と指摘する。
同州では造船関連の3000人を含む2万7000人が防衛産業で働いている。

今年アボット首相の自由党から離脱し無所属となった同相は
「18カ月以内に選挙があるのに、こうした多くの雇用を生み出すであろうプロジェクトを海外に発注するとは何と勇敢な政府だろう」
と述べている。

日豪の交渉過程を知る匿名の2人の関係筋は、
 潜水艦を割安で建造する戦いに巻き込まれるなら、日本は入札には参加しない
だろうとみる。
日本のディーゼルエンジン型潜水艦は、唯一オーストラリアのニーズに沿った規模のもので、オーストラリアが望めば、日本側は協力の用意が整っているという。
別の関係筋は、オーストラリアが入札を実施するなら、どのような潜水艦が求められているかを見た上で入札に参加するかどうか決めるだろうという。

関係筋によると、オーストラリアは老朽化したコリンズ級潜水艦6隻の代替として、川崎重工業)と三菱重工業が建造する4000トンクラスのそうりゅう型潜水艦の導入を検討している。

日本は4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛移転三原則を導入した。
日本の武器輸出は部品にとどまっていたが、日本が潜水艦をオーストラリアに輸出することになれば、完成品を海外に売却する初のケースとなる。

アボット首相にとっては、自前でゼロから開発するリスクやコストを避けることにつながる。
オーストラリア製のコリンズ級潜水艦が、音が大きく容易に探知されてしまうと酷評されたという事情もある。

<欧州勢も関心>

潜水艦を自国あるいは海外で建造することも含め、オーストラリアでは幾つかの選択肢が検討されている。
防衛上の観点から検証を重ねた上で、最終決定は来年の初めと予想されている。

オーストラリアのジョンストン国防相は先月、入札を実施する時間的な余裕はなく、早急に新たな潜水艦を導入できなければ「防衛能力の空白期間」ができてしまうと述べている。

アボット首相はかつて、潜水艦は失業率の比較的高い南オーストラリア州で建造されると述べていたが、7月に方針を変えたようで、コストとスケジュールが最優先だと示唆し始めた。

この変化は日本との閣僚レベルの度重なる意見交換や、日豪経済連携協定(EPA)合意や防衛装備品および技術の移転に関する協定に調印した時期と一致する。

ドイツ、スウェーデン、フランスなどはまだそうりゅうクラスの大きさの潜水艦を建造した経験はないが、多大な関心を示している。

ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズは先月、キャンベラに代表団を派遣したが、広報担当者によれば、HDWクラス216潜水艦を基にした潜水艦をオーストラリアで建造することを希望している。
また、入札があれば参加の意思を示している。

スウェーデンの防衛企業Saabはまだ入札への参加を表明していないが、おそらく参加しそうだ。

フランス国営の造船会社DCNSは、バラクーダ級原子力潜水艦を基にした潜水艦をオーストラリアで建造したい意向を確認した。
広報担当者は「ブラジルやインドで実施済みだ」と話す。

匿名のオーストラリア海軍関係者は、政府はあらゆる選択肢を検討するよう非常な圧力を受けていると指摘し、
「すべての選択肢が非常に綿密に検討されている」
と述べている。

<与党内からも異論>

オーストラリアの製造業は、フォード(やトヨタ、GMが2016年までにオーストラリアでの生産から撤退すると決定したことの衝撃からまだ抜け出せていない。
オーストラリア戦略政策研究所のシニアアナリスト、アンドリュー・デービス氏は
「海外から潜水艦を購入すれば造船業、あるいは製造業全体でみても、影響は計り知れないほど大きいだろう。
オーストラリアの造船所にはマイナスの影響を及ぼすし、すでに経営が苦しい企業をさらに追い詰めることになるだろう」
と述べる。

オーストラリア製造業労働者組合の幹部は、
「英BAEシステムズが所有するビクトリア州のウィリアムスタウンの造船所や、ニューサウスウェールズ州のフォーガックス造船所など、など大手の造船所に打撃を及ぼすだろう」
と指摘する。

アボット首相の与党自由党に所属する南オーストラリア州の3人の上院議員も、先月入札の実施を求め、党内から異論が出始めた。

2議員がシドニー・モーニング・ヘラルド紙に反対意見を表明し、もう1人の議員は上院で発言した。

南オーストラリア州のニック・セノフォン議員(無所属)は、こうした反対意見はアボット氏へのさらなる圧力になっているという。

同議員は
「潜水艦の建造は産業政策ではないと政府は何度も言ってきた。
その通りだと思う。
しかし、国益に基づくべきであり、国益には戦略的な利点や経済的な利益も含まれる」
とロイターに述べた。

<米国は日本支持>

米海軍の高官は、オーストラリアがそうりゅう型潜水艦を日本から購入することに支持を表明する。
米国は日本とオーストラリアとそれぞれ安全保障条約を結んでいる。

米海軍のロバート・トーマス第7艦隊司令官は10月24日に東京で記者団に対し、そうりゅう型潜水艦はディーゼルエンジン型としては世界で最も優れていると説明し、オーストラリア軍にとっても非常に快適だろうと述べた。

「同盟国、パートナーや友人の間で共通の装備を持てば、いちいち修正を加えたりする必要がなく、連携は極めて容易になる」
と指摘した。

しかし、前出のセノフォン議員は、軍事技術なども絡むため、日本との協力で合意すれば、オーストラリアの最大の貿易相手国である中国を刺激する可能性があるとみている。
同議員は
「日米豪という同盟上の理由から決定が下されようとしているようにみえる。
それは狭い視点だし、オーストラリアの国益には合致しないだろう」
と指摘した。

*第一段落目の表現を修正して再送します。



日本経済新聞     2014/11/12 23:28
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS12H3A_S4A111C1PP8000/

 日豪首脳会談、防衛装備品協力を強化 TPP早期妥結を確認

【ネピドー=中山真】
安倍晋三首相は12日、ネピドー市内でオーストラリアのアボット首相と会談した。
両首脳は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けた連携を確認し、日本の潜水艦技術の豪州への移転を含む防衛装備品開発での協力強化で一致した。
両首脳は16日にオーストラリア・ブリスベンでオバマ米大統領と日米豪首脳会談を開く。

安倍首相はアボット首相との会談で、10日に実現した日中首脳会談について「戦略的互恵関係に立ち戻り、関係改善の第一歩となった」と説明。
アボット首相は
「今回の首脳会談は氷を砕く会談だった。
これをきっかけにさらに対話が進むことを期待する」
と語り、日中関係改善の動きを評価した。

日豪間で進めている経済連携協定(EPA)に関しては、アボット首相が「数週間以内に協定批准のための議会の手続きが終わることを期待している」と説明し、両国で早期発効に向けた手続きを急ぐ方針で一致した。
日本や中国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は2015年末までの交渉完了を目指して連携することを確認した。

安全保障協力では防衛装備品での協力のほか、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練などを円滑にするための新たな協定の交渉を急ぐ。
同協定は共同訓練をする場合に持ち込む手続きを簡単にする内容だ。

エネルギー分野では、安倍首相が安定的で競争的な液化天然ガス(LNG)市場の構築に向けた協力を要請し、アボット首相が関係部局に検討を指示すると応じた。
両首脳は首脳の相互訪問の実現に向けて、アボット首相が来年の都合の良い時期の来日の調整を進めることも申し合わせた。



ロイター 2014年 11月 19日 06:50 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J22HD20141118/

豪が最新鋭艦の建造を日本に打診、潜水艦の輸入検討=関係者

[東京 19日 ロイター] -
日本から潜水艦を輸入することを検討しているオーストラリアが、リチウムイオン電池を搭載した最新鋭艦の建造を日本側に打診したことが明らかになった。
ドイツなども自国の潜水艦を売り込もうとしているが、オーストラリアは隠密性に優れた自衛隊の潜水艦を評価。
両国は合意に向けて協議を進めている。

日本の現行潜水艦は鉛蓄電池を使用している。
しかし、複数の日豪関係者によると、オーストラリアはより高性能の潜水艦を希望。
日本が来年度から建造するリチウムイオン電池を積んだ最新鋭艦に「高い関心を寄せている」と、関係者の1人は話す。

日本とオーストラリアは10月に東京で防衛相会談を開催。
ジョンストン国防相は江渡聡徳防衛相に対し、オーストラリアの潜水艦建造計画への協力を要請した。
さらに11月12日にミャンマーで会談した安倍晋三首相とアボット首相は、防衛装備品の協力を進めていくことをあらためて確認した。

複数の関係者によると、両国は実務者レベルで月1度以上のペースで協議を重ね、現在は推進機関など技術的な仕様の議論にも入りつつあるという。

 日本側には、潜水艦という機密性が高い防衛装備品の輸出に慎重な声もある
関係者によると、オーストラリアの予算と要求に合わせ、自衛隊の潜水艦とは仕様を変えたものを提案することになりそうだという。
リチウムイオン電池を搭載した艦が輸出可能かどうかは検討中だが、別の関係者は
「結構性能の高い潜水艦を出すことになるだろう」
と話す。

複数の米軍関係者は、3カ国の海軍の相互運用性が高まるとして、オーストラリアが日本から潜水艦を調達する計画を歓迎している。
16日の主要20カ国・地域(G20)首脳会議の際に会談した日米豪の首脳は、合同演習や防衛装備品で協力を深めることで一致した。
関係者によると、武器システムは米国製を搭載する見通しだ。

<リチウム電池の優位性>

海上自衛隊のディーゼル潜水艦「そうりゅう」は、エンジンで発電した電気を鉛蓄電池に充電。
潜航中は蓄えた電気を動力源にしている。
数日ごとに海面近くまで浮上して充電する必要があるため、空気を必要としない推進機関AIP(非大気依存推進)も積んで連続潜航期間を2週間程度まで伸ばしている。

一方、来年度から建造するそうりゅうは、
 「鉛蓄電池とAIP」から「大容量のリチウムイオン電池に切り替える」
ことで、潜航期間が「格段に伸びる」(防衛省関係者)という。

海上自衛隊の潜水艦隊司令官だった小林正男・元海将は
「安全に、かなり長い期間オペレーションができるようになる」
と語る。
AIPは使い切ったら基地に帰還しないと機能が回復しないが、リチウムイオン電池は
「安全なエリアまで移動して再充電すれば能力が回復し、すぐに作戦海域に復帰できる」
と、同海将は指摘する。

建造費は1隻およそ640億円と、現行型に比べて100億円以上高くなるものの、防衛省関係者によると、電池寿命が長く、15年間使った場合のライフサイクルコストは現在の1000億円よりも安くなるという。

<欧州勢が売り込み>

 6隻の潜水艦を保有するオーストラリアは、2030年ごろに世代交代を計画。
最大12隻の調達を検討しているが、独力で建造する能力に乏しく、日本に建造を発注し、完成品を輸入することを最有力の選択肢としている。

しかし、オーストラリア国内では産業の活性化や雇用の増加につながらないとして、国外で建造する案には与党内からも反発が強まっている。
ドイツやフランス、スウェーデンも自国艦を売り込みたい考えで、入札にすべきとの声が広がっている。
ドイツメーカーのティッセンクルップは8月、キャンベラを訪問してオーストラリア国内での建造を提案した。

ただ、日本以外はオーストラリアが求める4000トンクラスの大型ディーゼル潜水艦を造った経験がないうえに、いずれも現行そうりゅうと似た推進システムを採用している。
さらに関係者の1人によると、
各国の潜水艦の中で、日本のそうりゅうがトン当たりのコストが最も低いという。

アボット首相はかねてから
「最も重要なのは、最高の能力を持った潜水艦を納税者にとって妥当な価格で調達することだ」
と語っている。

日本は4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛移転三原則を導入した。
オーストラリアへの輸出が実現すれば、完成品を海外に売却する初のケースとなる。 
中国が南シナ海、東シナ海への進出を積極化する中、日本は装備品の協力を通じ、オーストラリアとの安全保障関係を強化したい考え。

日本の防衛省は
「オーストラリアとは防衛装備品の協力でさまざまな協議をしているが、詳細は差し控える」
とコメント。
オーストラリアの国防省は「日本が電池の能力向上を検討していることは報道で承知しているが、潜水艦の推進機関について具体的なコメントはしない」
としている。

(久保信博、ティム・ケリー)



レコードチャイナ 配信日時:2014年11月25日 16時30分
http://www.recordchina.co.jp/a97973.html

オーストラリアが日本から潜水艦購入を計画、
安倍内閣後の軍需産業は発展の機会を模索中―中国メディア

2014年11月24日、オーストラリア政府高官は今月19日、次世代潜水艦に装備する日本の新型動力設備を購入する方針を示した。
この情報は、日本が近くオーストラリアの潜水艦製造者になることを意味する有力な内容と言える。

▼動力設備に照準をあてる

ロイター通信は先ごろ、オーストラリア政府は三菱重工及び川崎重工業が建造する12隻の「そうりゅう」型潜水艦を調達し、6隻の老朽化した現役「コリンズ」型潜水艦と取り替えると報じた。

オーストラリア高官1人と日本の高官2人がロイター通信の記者に説明した内容によると、オーストラリア政府は9月に日本の潜水艦を購入する計画を表明して以来、オーストラリア側は潜水艦にリチウム電池を導入することを考慮している。

日本はリチウム電池技術の研究開発分野でトップクラスにある。
日本企業が製造する「そうりゅう」型潜水艦は、世界で初めてリチウム電池を導入した推進システムのある潜水艦になる。
一部の潜水艦専門家は、ディーゼルエンジン搭載の通常潜水艦と比べて、リチウム電池を導入した推進システムのある潜水艦は水中の活動範囲がより拡大し、スピードがさらに加速したと分析している。

あるオーストラリア高官の見方では、オーストラリア政府はリチウム電池を導入した推進システムに「高い関心を示している」という。

「そうりゅう」型潜水艦は、日本の海上自衛隊の最先端の潜水艦で、2009年から日本の海上自衛隊に使用されている。
この潜水艦の最大の特徴は、ディーゼルとリチウム電池の2種類のエンジンを搭載していることだ。
空気がない条件で稼働できることから、通常の動力潜水艦と比べて浮上回数が減ることで、敵に偵察及び追跡されにくくなる。

▼オーストラリアは自国のみの製造困難

オーストラリア政府が策定した長期防務戦略に基づき、政府は「コリンズ」潜水艦を他の潜水艦と段階的に交換し、2015年3月に建造する新型潜水艦の規格・サイズと数量を最終的に決定する。
プロジェクト全体への投資額は370億ドル(約4兆4000億円)と推計される。

オーストラリア政府は新型潜水艦の建造はすべて国内で完成することを目指していた。
しかし、一部のアナリストは、オーストラリアには新型潜水艦を設計・建造するエンジニアが不足しているため、外国政府、または企業と提携し、設計と建造を共同で行うことが最も現実的な方法だと認識している。

オーストラリア政府は、独自に建造する方法と比較した上で、日本から「そうりゅう」型潜水艦の購入を選ぶ可能性が高い。
デビッド・ジョンストン国防相は先ごろ、「そうりゅう」型潜水艦は、現時点で世界で最も優れた通常動力潜水艦であり、オーストラリアと日本が軍事技術協力に関する「枠組み協定」に調印することを希望すると明確に述べた。

また、多数の欧州企業がオーストラリアと協力して潜水艦を建造する意向を表明している。
スウェーデンの軍需企業Saabはオーストラリア国防省のプロジェクトに応札し、オーストラリアに潜水艦の完成品を輸出することも可能で、オーストラリアと共同で建造することもできると提起している。

ロイター通信は、日本がオーストラリアに「そうりゅう」型潜水艦技術を輸出する場合は、日本が戦後初めて大型軍事工業技術を輸出、あるいは譲渡することになると分析している。

安倍内閣は今年4月に日本が戦後に固守してきた「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」を正式に採択した後、長年にわたりひっそりとしていた日本の軍需産業が活性化を始め、輸出や自国のアピールを相次いで行い、発展の機会を模索している。

一方で、潜水艦技術をオーストラリアに輸出することについて、日本の軍需産業の技術が漏洩し、軍事の安全性に影響を及ぼすとの認識を持つ日本の一部高官が反対意見を固持している。

(提供/新華網日本語版・翻訳/謝艶・編集/武藤)



ロイター 2014年 12月 2日 10:12 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JG00F20141202/

豪次世代潜水艦の入札はない見込み、日本企業の受注可能性高まる


●12月2日、複数の豪政府高官は、次期潜水艦建造計画で、競争入札は行わないと発言した。日本企業が受注する可能性が高まったと言えそうだ。写真は日本の海上自衛隊が保有する「そうりゅう」型潜水艦。海上自衛隊提供(2014年 ロイター)

[シドニー 2日 ロイター] -
複数の豪政府高官は2日、次期潜水艦建造計画で、競争入札は行わないと発言した。
日本企業が受注する可能性が高まったと言えそうだ。
ロイターは9月、関係筋の話として、豪政府が、日本企業に建造を発注し、完成品を輸入する方向で日本と協議している、と伝えている。

関係筋によると、豪政府は、三菱重工業・川崎重工業が建造する「そうりゅう」型の潜水艦の導入を検討している。

ただし豪国内では、国内企業による建造を求める声が強く、次期潜水艦を海外に発注することについては慎重意見も根強くあるという。

ホッキー財務相はABCとのインタビューで、入札を行っているような時間はない、と指摘。
「今、決定する必要がある」と強調した。

ジョンストン国防相の報道官も、入札は実施されないことを確認した。
ただし、潜水艦建造の発注先は決まっていない、ともしている。



ロイター 2014年 12月 3日 16:29 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0JH0HQ20141203

焦点:中国の潜水艦に苛立つインド、
海面下で進むアジアの軍拡競争


●12月3日、中国の潜水艦増強に近隣諸国が警戒感を強めるなか、インドは海軍の近代化プログラムを加速させている。写真はインド東部のビシャーカパトナムの軍港に停泊する、同国海軍のアリハント潜水艦(2014年 ロイター/R Narendra)

[ニューデリー 3日 ロイター] -
中国の潜水艦増強に近隣諸国が警戒感を強めるなか、インドは海軍の近代化プログラムを加速させている。
同時に、中国のインド洋進出を食い止めるべく、インドはスリランカなどの周辺国に圧力をかけている。

インドと中国の係争地カシミール地方で両国軍がにらみ合う事態に発展した直後の今年9月、中国の潜水艦がインドの南に位置するスリランカに初めて寄港した。
中国はまた、インド洋に浮かぶ島国モルディブとの関係も強化している。

こうした動きは、インド洋での存在感拡大を狙う中国の強い意志を映し出しており、南シナ海の領有権問題が緊迫化するのと時を同じくして進んでいる。

インド海軍の元司令官アルン・プラカシュ氏は
「我が国の潜水艦規模縮小は憂慮すべき問題だが、中国がヒマラヤや南シナ海、そして今やインド洋でも圧力を強めていることを考えれば、なおさら懸念すべきことだ」
と指摘。
そのうえで
「幸運なことに政府はこの危機に目覚めた兆しはあるが、再建には時間がかかる。
中国との対決に巻き込まれないないよう、外交や同盟が抑止力になるよう願う」
と語った。

モディ首相が率いるインド政府は現在、ムンバイ港で
フランスの造船企業DCNS製の通常動力型潜水艦6隻の建造
を進めているほか、推定5000億ルピー(約9600億円)を投じて別の通常型潜水艦6隻の建造も計画している。

★.インド初の国産原子力潜水艦は今月に海上試運転を行い、2016年後半に就役が予定
されている。
また複数の海軍当局者はロイターに対し、
★.ロシアとは2隻目となる原子力潜水艦のリースで協議中
だと明かした。

事情に詳しい関係筋によると、さらにインド政府は同国最大級の工業・建設会社ラーセン・アンド・トウブロ(L&T)に対し、追加で2隻の原子力潜水艦の建造を打診しているという。

アジア・太平洋地域では、
オーストラリアが日本から最新鋭ステルス潜水艦を最大12隻購入することを検討しており、
ベトナムはキロ型潜水艦の最大4隻の追加(現在は2隻保有)を計画している。

また尖閣諸島問題などで中国と対立する日本は、今後約10年をかけて、ディーゼル潜水艦の数を現在の16隻から22隻に増強する。

<規模で劣勢のインド>

インド海軍が現在保有するディーゼル潜水艦は老朽化した13隻のみ。常時修理の必要があるため、そのうち実際に稼働できるのは半分に過ぎない。
昨年には1隻がムンバイで停泊中に爆発炎上事故を起こした。

一方、中国は通常型潜水艦を60隻、原子力潜水艦を10隻保有しているとみられ、そのうち3隻は核兵器を搭載していると推測される。

中国戦略研究センターの馬佳氏は、インド洋をめぐる中国政府の最大の関心は、石油をはじめとする資源の輸送ルートであるシーレーン(海上交通路)防衛にあると指摘。
「インド国内ではインド洋は自国のみに属するという声が多いが、当然ながらそうではない。
中国とインドの間で対話や協議があるべきというのが我々の考えだ」
と語った。

インドが空母2隻を含む約150隻の艦艇を持つ海軍を作ろうとする一方、中国は約800隻の海軍能力を持っており、軍当局者や専門家らは、双方が鉢合わせする公算は比較的大きいと指摘する。

オーストラリア国立大学の客員研究員デビッド・ブリュースター氏は、
★.インドはインド洋での支配的な地位を回復させるためには何でもするだろう
と指摘。
それには、日本やオーストラリアとの海軍面での協力模索のほか、マラッカ海峡から140キロの距離にあるアンダマン諸島の軍基地拡大などが含まれるという。

同氏は
「インドは中国海軍の艦艇の存在を侵入と見なしている。
中国艦の存在感は大幅に増しており、明らかにインドにメッセージを送る意図がある」
と指摘する。

中国の潜水艦の存在をめぐり、インドはスリランカとの間で激しい外交を行っている。
9月の中国艦寄港については、今年モルディブを含む3国で締結した協定に基づき、インドに事前に知らせるべきだったとしている。

インドはまた、バングラデシュが開発を望んでいるベンガル湾ソナディアでの80億ドルに上る深水港プロジェクトへの関与も強めている。
同プロジェクトは中国港湾工程有限責任公司(CHEC)が入札で先頭に立っているが、インドのアダニ・グループも10月に開発案を提出した。

ブリュースター氏は「もし中国がやり方を変えず、インド洋での存在感も今の水準を維持するなら、インドは対応の必要を感じるはずだ」と語った。

(原文:Sanjeev Miglani and Tommy Wilkes、翻訳:宮井伸明、編集:新倉由久)







【描けない未来:中国の苦悩】




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2014年8月30日土曜日

日本で初の国産ステルス戦闘機  ATD-X 開発~完成へ!!

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https://www.youtube.com/watch?v=D2KG7yWfgUA
日本初の国産ステルス機 ATD-X 開発~完成へ!!
(2014年7月12日放送)
機密扱いで進められた、日本初の国産ステルス機 開発!!
国産ステルス戦闘機ATD-X 驚きの性能  http://youtu.be/nfkSsg6BbVo



究極の航空機
2014/03/01 に公開



ロイター 2014年 07月 16日 12:36 JST
David Axe
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0FL07I20140716?rpc=223

コラム:最新鋭ステルス戦闘機「F35」の宿命的欠陥


● 7月14日、最新鋭ステルス戦闘機「F35」の出火事故は、数千機に上る米軍の戦闘機が確実には飛べなくなる事態さえ予感させるものだ。 写真はF35戦闘機。米メリーランド州で2012年1月撮影(2014年 ロイター/Yuri Gripas)
1 of 1[Full Size]

[14日 ロイター] -
 6月23日に米フロリダ州の空軍基地で出火事故を起こした最新鋭ステルス戦闘機「F35」。
 米国防総省は、エンジンの追加検査が完了するまで全機を飛行停止としたが、今回の事故は、
 数千機に上る米軍の戦闘機が確実には飛べなくなる事態さえ予感させるものだ。

 公平のために記すと、米国防総省は戦闘機が事故や故障を起こした際、原因の究明と問題の解決のため、一時的な飛行停止はこれまでも通常運用として行ってきた。
 しかし、今回の事故には真に懸念すべき理由がある。
 F35が戦闘には不向きであることを示しかねない設計上の深刻な欠陥を映し出しているかもしれないからだ

 まず第一に、ロッキード・マーチン製のF35は単純に言って、あまり成功を収めているとは言えない。
 米国防総省は2007年以降、少なくとも13回はF35の一時飛行停止を余儀なくされた。
 その多くはプラット・アンド・ホイットニーが製造する「F135」エンジンが原因で、特に、エンジンのタービン翼が問題となってきた。
 一次飛行停止の期間は、長くても2─3週間程度だった。

 オランダの航空宇宙専門家で、戦闘機情報サイトのJSFニュースの編集者であるヨハン・ベーダー氏は
 「エンジンの同じ個所で問題が繰り返されていることは、F135エンジンの深刻な設計上かつ構造上の問題を示しているかもしれない」
と述べた。

 プラット・アンド・ホイットニーは度重なる不具合に終止符を打とうと、F135エンジンの全面的な再設計をすでに行っている。
 しかし、エンジニアにできることは限りがある。
 F35の開発初期段階でエンジンの問題は議論を呼んだが、米国防総省は双発エンジンではなく単発エンジンを選んだ。
 単発を採用することでコスト低下には寄与するかもしれない。
 しかし、F35のケースでは、その決断は「自滅」だと言わざるを得ない。

 なぜなら、F35は基本設計に空軍と海兵隊、海軍の要望を取り入れた結果、構造が複雑になっているからだ。
 航空機の設計では、複雑さは重量に直結する。
 F35の重量は燃料満載時は35トンと、単発戦闘機としては極めて重い。

 対照的に、従来の「F15」戦闘機は重量40トンだが、エンジンは双発だ。
 F35は速度と操縦性を保つため、F135エンジンに戦闘機史上最大の推進力が求められる。

 そうした推進力を実現すれば、エンジン部品には過度なストレスがかかるため、F35が高い頻度でエンジントラブルに見舞われるのも驚くには当たらない。
 そして、たとえ史上最大の推進力を生むエンジンを積んだとしても、
F35は「鈍重」な戦闘機だ。
 ワシントンの非営利組織「政府監督プロジェクト」で軍改革について研究するウィンスロー·ウィーラー氏は、
 F35を「重くて動力不足の失敗作」
と呼ぶ。

米軍と密接な関係があるシンクタンク「ランド研究所」のアナリスト2人は2008年、F35の戦闘能力を分析する目的で、コンピューターを使って中国との空中戦をシミュレーションした。
 結果は衝撃的な内容だった。

 同仮想演習に関する報告書を執筆したジョン・スティリオン氏とハロルド・スコット・パーデュー氏は、
 「F35は二重の欠陥がある」と指摘し、「曲がれず、上昇できず、動けない」と警告していた。

 とはいえ、F35は米軍史上で最も多く使われる戦闘機になるべく歩を進めている。
 F35は、空軍と海兵隊が使う現行戦闘機のほぼすべてを置き換え、海軍では「F/A18」戦闘機を補完する位置づけとなる。
 米国防総省は、向こう数十年でF35を約2400機導入する計画。
 その費用は総額4000億ドル(約40兆7000億円)だ。

 好むと好まざるとにかかわらず、F35は米国の空軍力の未来を担う。
 他の選択肢も限られている。
 開発がスタートした1990年代以降、ロッキード・マーチンのエンジニアたちは設計に多くの時間を費やした。
 仮に新たな戦闘機にこれから取り掛かるとすれば、国防総省は10年以上は待たされることになるだろう。
 その間、他の国に戦闘機の設計で先を越されるかもしれない。
 ロシアと中国、日本はいずれも新型ステルス戦闘機の開発を進めている。

 基本的な設計的欠陥は今後数十年にわたり、F35を苦しめる可能性がある。
 それはつまり、米国の国家安全保障が危機にさらされる可能性もあるということに他ならない。

■<関連ニュース>

◎日本はF35を42機購入する予定。
 現在保有している旧型のF15戦闘機100機について新型機との交換を決定する際に、F35を追加発注する可能性がある。

◎オーストラリアと韓国は、F35の購入計画に変わりはないと表明。
 オーストラリアは58機、韓国は40機を購入する計画。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月28日 11時3分
http://www.recordchina.co.jp/a94802.html

中国のステルス戦闘機は日本を15年リード
=「うらやましい」と韓国ネットユーザー―中国メディア

 2014年9月25日、竜騰網は日中のステルス戦闘機開発技術に関する韓国ネットユーザーのコメントを取り上げた。

 22日付香港紙・明報は軍事評論家・梁国良(リャン・グゥオリャン)氏のコメントを掲載した。
 梁氏は中国の第5世代ステルス戦闘機関連技術は日本を15年リードしていると分析している。
 日本の先進技術実証機(ATD-X)は間もなく初飛行を迎える予定だが、いまだに実証機段階。
 中国は第5世代戦闘機J-20の初飛行を終え、2020年には20機が配備される予定だ。

 この記事が韓国の大手ネット掲示板で翻訳、紹介された。
 以下はその反応。

 「中国は日々発展しているというのになぜ韓国はこんなにダメなの?」
 「うちの国の指導者は国防にまったく興味がない。
  気にしているのは自分の権力のことだけだ。
  韓国軍はもう腐りきっているし。
  北朝鮮の挑発は予告なくやってくるのにどうするんだ。
  李舜臣みたいな名将が出現しないものか。」
 「うらやましい。」
 「15年どころじゃないでしょ。
  日本が開発した戦闘機はF-2だけなんだし。
  エンジンもレーダーも日本には自主開発する力はないよ。」
 「韓国人ってさ、狭い国土の中から権力者を批判したり、日本人を批判したりと騒ぐばかり。
  向こうの立場になってみるとバカみたいに見えるよね。
  韓国人の自信ってどこからくるんだろ。
  ただの小国でしかないのに。」



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醜さ増す中国政府の民主派締めつけ::香港問題

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ウオールストリートジャーナル 原文(英語)2014 年 8 月 29 日 16:39 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970203483604580121111790817460?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

【社説】醜さ増す中国政府の民主派締めつけ―香港

 中国政府は香港が1997年に特別行政区になった際、香港の民主化を約束した。
 香港市民は中国政府がこの約束を守ることを望んでいる。
 自由を求める香港の戦いに世界はもっと注目する必要がある。
 中国政府の報復が醜さを増しているなかではなおさらだ。

 香港の反汚職当局である廉政公署(ICAC)は28日、当地のメディア王、黎智英(ジミー・ライ)氏、同氏傘下企業の社員、マーク・サイモン氏、民主派の李卓人・立法会議員の自宅を家宅捜索した。
 捜索令状には、黎氏が李氏など3人の民主派議員に献金したと記されていた。
 これは、中国政府が香港の法執行機関の独立性を損なっていることを示唆するため、とりわけ悪い前兆と言える。

 香港では政治家への献金は規制されていない。
 黎氏のパソコンがハッキングされ、中国寄りの地元メディアのあちこちで献金の詳細が報じられた。
 親中派の人々は、この献金問題を捜査するべきだとICACに公の場で訴えていた。
 しかし捜査に根拠があるとは考えにくく、またタイミングもおかしい。

 流出した献金記録によると、黎氏は李氏の主な資金提供者となっている。
 黎氏の出版物は中国政府に批判的で、民主派への支持を大々的に打ち出している。
 同氏とカトリック教会の陳日君・枢機卿は、2017年の行政長官選挙で民主派候補の出馬を認めるよう中国政府に求める民主化運動「オキュパイ・セントラル(占領中環)」を支持している。
 このため、黎氏が中国政府の最大の敵とみなされるのはもっともだ。 

 今回の家宅捜索はオキュパイ・セントラル運動が本当の原因かもしれない。
 献金記録で黎氏が運動の主催者に献金したことが分かり、主催者たちが後日、非暴力的な市民的不服従によって金融街の中環を封鎖した場合、同氏は陰謀の容疑で逮捕される可能性がある。
 さらに、損害を被った企業から民事訴訟を起こされる可能性もある。

 民主派の締めつけにマフィアグループも駆り出されている。
 人気民主派サイト「ハウスニュース(主場新聞)」の創設者、蔡東豪氏は7月、脅迫を受けて同サイトを閉鎖した。
 13年7月には1台の車が黎氏の自宅の門に衝突。あとには脅迫状と一緒にナイフと斧が残されていた。
 08年には警察が黎氏と民主派議員の李柱銘氏の殺害計画を暴露した。

 中国政府は昨年末、英銀大手のHSBCホールディングスとスタンダード・チャータードに圧力をかけ、多くの香港企業と共に黎氏の出版物への広告掲載をやめさせるのに成功した。
 今月、親中派の新聞は、黎氏がエイズで死亡したとする偽の死亡記事を掲載した。

 法執行機関を政治的に利用する動きは、中国政府の威圧行動の中でも香港を最も大きくむしばむ行為だ。
 香港の警察はここ数年、民主派のデモ隊を狭い空間に追い込み、混雑による危険な状態を招いている。
 毎年香港が中国に返還された7月1日に行われる民主派のデモ行進には、今年は約50万人が集まったが、警察はこの混雑ぶりを主催者のせいにし、歩くのが遅いことを理由に数人を逮捕した。
 これまで高い評価を得ているICACがこうした動きに関与したことは、特に危険な変化だ。

 デモ行進での逮捕や28日の家宅捜索は、法律と政府に対する香港市民の敬意を損なう恐れがある。
 皮肉なことに、香港で最も忠実な中国政府支持者の1人であるジャスパー・ツァン氏が昨年、こうした事態に警鐘を鳴らしていた。
 同氏は、施政者が市民の信頼を失えば、素晴らしい政策であっても反発を受けるとの考えを示した。
 英国が残した独立機関を中国政府が着々とむしばむことは、一層の民主化と自主性を求める香港市民の願望をさらに強めるだけだろう。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月1日 10時24分
http://www.recordchina.co.jp/a93521.html

中国、香港長官選での民主派候補排除を決める
=民主派は金融街占拠など抗議の構え―米メディア

2014年8月31日、米ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語電子版によると、中国の全国人民代表大会常務委員会が香港の次期行政長官選挙制度改革の原則に関する決定を採択したことを受け、香港の民主派は同日、政府庁舎前で抗議集会を開き、候補者から民主派を事実上排除する制度だと強く反発した。

常務委は31日、2017年の香港行政長官選から、香港の各界代表で構成する「指名委員会」の過半数の推薦を得た人物以外、立候補できないこと、また立候補者の数は2人または3人に絞ることなどを盛り込んだ案を採択した。
指名委は親中派主導になるのが確実で、民主派の立候補は事実上不可能になった。

この決定を受け、民主派団体はこの日、香港の金融街・中環(セントラル)地区を大群衆で占拠して抗議する街頭行動を近く実行する方針を明らかにした。

報道によると、香港警察は30日から、中環から金鐘(アドミラリティ)エリアに数千人の警察隊を配備し、警戒に当たっている。



サーチナニュース 2014-09-01 10:31
http://news.searchina.net/id/1542218

香港紙「中国共産党は普通選挙実施の約束を破棄

 香港紙・蘋果日報(アップル・デーリー)は1日付で、中国人民代表大会(全人代)務委員会が8月31日に発表した、2017年に実施する香港特別行政区特別長官の選挙方式について、「中国共産党は普通選挙実施の約束を破棄」と強く非難する論説を発表した。
  蘋果日報は民主派陣営に近い論調を特徴とする。
 運営会社、壱伝媒(ネクスト。メディア)の創業者である黎智英董事会主席(会長)は8月28日、民主派への不正な政治献金の疑いで、家宅捜索を受けていた。

  全人代常務委員会は
 「確固不動たる“一国二制度”、“香港人による香港統治”、高度な自治方針政策を実現し、厳格に香港基本法に基づく実行、2017年に行政長官を普通選挙で誕生させることは、中央の一貫した立場」
などと説明した。
  中国大陸側は、2017年の行政長官選挙について、有権者による直接投票による選出であるとして「普通選挙」と主張しつづけている。
 しかし、8月31日示された選挙方式は事前の予想通り、大陸側支持者が多数を占めることが確実視されている「指名委員会」が、2、3人の候補者を認めた上での選挙だった。

 香港側ではかねてから、
 「民主派なども含め、自由に立候補ができる選挙でなければ、真の民主的制度ではない」
とする強い反発があった。
 アップル・デーリーは論説の冒頭で、2017年の行政長官選挙を1997年の中国返還から30年後になると指摘し、
 「30年間の願望が、真っ黒な天空になる」
と批判。
 文中でも「北京は香港に対する普通選挙の約束を破棄した」など、強い調子で今回の発表を批判した。
 論説は全人代法律委員会の李飛副主任が8月31日の記者会見で、外国人記者から
 「国を愛することは、必ず共産党を愛することなのか?」
との質問を受けたことを紹介。
 李副主任は
 「中国共産党が全人民と各民族人民の心からの敬愛と指示を得たことは歴史が証明している。
 したがって、このような中央人民政府を支持することは、特に特別行政区の行政長官にとっては言うまでもないことだ」
と回答した。
 李副主任はさらに、もしも2017年に政治制度が足踏みをして、香港で多くの政治的な紛糾が発生したと仮定した場合
 「それらはおそらく、発展のチャンスをつぶし、(発展のチャンスは)2度と来ないだろう」
と言明した。

 論説は、李副主任の発言で
 「(香港の)広範な人々が、幻想を捨て去った。
 香港人の全人代に対する信用は失墜した」
と論じた。
  記事は、香港で8月31日に発生した抗議デモを紹介。
 雨の中、約5000人が集まって「抗命(命をかけての抵抗)」と書いたプラカードなどを示し、全人代側が発表した選挙方式を「ペテン」などと激しく非難。
 これからの抗議活動について
 「多くの人が抗争に加われば、香港にはまだ希望があるということになる。
 人が少なければ、香港人自身が(民主化を)放棄したことになる。
 そうなれば、いずれにせよ、香港は暗黒時代に突入することになる」
などの声が聞かれたという。

 **********

 アップル・デーリーは1995年創刊の、香港紙。台湾にも同名の姉妹紙がある。
 大衆路線の紙面づくりに徹し、、芸能情報、企業や政治家のスキャンダルなどの多さが特徴。
 扇情的で信憑性(しんぴょうせい)に乏しい記事があるとして、批判されることもある。
 政治関連では、香港特別行政区政府や大陸側政権の批判が多く、香港民主派に近い論調をとる、香港でも数少ないメディアのひとつ。  
 香港当局は8月28日、同氏経営者の黎智英会長と民主派労働党の李卓人主席の自宅を政治献金についての不正行為の疑いで家宅捜索した。
 同月31日の「選挙方式発表」の直前だったことから、民主派と支持者に対する圧力との見方が出た。



ウオールストリートジャーナル 2014 年 9 月 1 日 11:45 JST
By ANDREW BROWNE 原文(英語)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204091304580126733237908558?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

中国、香港でのプラグマティズム放棄

 【北京】香港では、中国共産党への根深い不信感がある。
 香港はおおむね、中国本土の飢饉(ききん)や、共産党主導の政治的暴力から逃れてきた人々によって作られた都市だからだ。

 1970年代後半から90年代にかけて中国を指揮した故鄧小平氏はこれを理解し、巧みに対処した。
 1997年に英国から香港を返還させた際に同氏が「1国2制度」の方式を取り入れたことは、香港での中国共産党の信頼性が低いと自覚していたことを示している。
 ただ香港に入ってこれを取り返すだけでは、香港市民の信用を損ない、経済を破壊することになりかねないと認識していたのだ。

 このため、香港は英国方式の司法制度と行政府の維持が許された。
 また、将来の指導者が民主的な選挙で選ばれることも約束された

 だが、今日の中国指導部は、このような政治的なプラグマティズム(実際主義)を受け入れたり、香港問題で巧妙さや妥協を用いたりしようとする意欲をほとんどみせない。

 これは中国全国人民代表大会(全人代)が31日に下した判断から引き出すべき結論だ。
 全人代はこの日、香港行政長官の選挙に関する取り決めを採択し、中国共産党に事実上の拒否権を付与した。
 全人代によると、行政長官の候補者は事前に審査を受ける必要がある。
 以前、中国政府は「愛国的」な人のみが候補になれることを明確に示したことがある。
 ここで言う「愛国的」とは、共産党用語で「党を愛している」ことを意味する。

 要するに、
 中国共産党は香港の大多数の市民との長期にわたる対立に自らを追い込む公算が大きい
ということだ。
 これはまさに鄧氏が必死に回避しようとしてきた状況である。

 香港の将来に対する市民の信頼は明らかに損なわれるだろう。
 市民の抗議運動のなか、経済に連鎖的な影響が及ぶ公算が大きい。

 民主派団体「中環(香港の金融街)占拠」は、中国政府が2017年の次回行政長官選挙で香港に本当の選択権を与えない場合、大規模な抗議活動を行って、主要なビジネス街である中環地区をまひさせると警告している。
 選択の幅が大幅に縮小されたため、全てのシステムが抗議に向かう状況にある。

■行政長官選の新方針に香港住民が抗議

 党の機関誌である「人民日報」は、「中環占拠」を攻撃した最近の記事の中で、
 「人々はなぜ自分たちのホームランドをめちゃめちゃにしたいのか」
と問い掛けた。
 もちろん、彼ら香港人は混乱を望んでいない。
 そして、これは香港での差し迫る対決の裏に潜むパラドックスでもある。
 香港ほど公民としての不服従の傾向が小さい都市は世界にほとんどないが、
 これほど強い責任感と公民的モラルを示す都市もほとんどないという逆説なのだ。

 香港の人々は、秩序ある行動をとることで知られ、それは抗議デモのときにさえ表れる。
 近年、何百もの抗議デモが中間層を主体に行われており、中には家族連れもいる。
 彼らは教育や社会福祉の改革といった実際的な問題を対象に抗議をしている。
 実のところ、抗議活動は中国本土でも頻繁に行われている。
 だが、本土では感情が爆発し、警官隊が催涙ガスや警棒で対応することも少なくない。
 香港の抗議活動がおおむね平和的なのとは対照的だ。

 抗議活動がひどい事態につながったケースはあまりに少ない。
 このため、破壊的な台風のように、歴史に刻まれた衝撃的な瞬間として人々の記憶に残っている。

 香港の人々は、例えば1966年の「スターフェリー」暴動のことを今なお話す。
 香港のビクトリア・ハーバー横断のフェリー運賃の小幅引き上げを引き金に発生した暴動だ。

 香港市民の冷静沈着さはすべて、政治的混乱の危険を熟知している穏健な香港社会の表れだ。
 香港の人々の大半は、1950年代の人為的な飢饉と60年代の文化大革命という苛酷な時期に中国本土から逃れてきた人々とその子孫だ。

 香港の住民がいまだに忘れていないのは、1967年の香港史上最悪の暴力だ。
 当時、毛沢東の紅衛兵の狂信集団が香港に文化大革命を持ち込み、機動隊と対立して手製爆弾をまき散らした。

 しかし現在、政治的な動機に基づく暴力が戻りつつある。
 昨年には、香港のメディア王で「占領中環」運動の著名な支持者でもある黎智英(ジミー・ライ)氏の自宅に車が突っ込む事件が起きた。
 自宅を占拠した犯人たちは、斧(おの)やナイフのほか、脅迫状を家に残していた。
 今月28日には、民主派議員への献金にからみ、同氏の自宅が香港の反汚職当局である廉政公署(ICAC)による家宅捜索を受けた。

 行政長官選挙候補に関する今回の全人代の決定が政治的な緊張を高め、香港社会を一層分裂させるのは避けられないだろう。
 香港では、今年既に100万人以上が行進に参加している。
 「占拠中環」運動の目的を支持するものと、支持しないものの両方でだ。

 香港市民の中国への見方は常に期待と恐怖が入り交じっている。
 中国の台頭が香港自身の経済見通しを改善させるとの期待と、マルクス・レーニン主義的な政治支配が越境してくるという恐怖だ。

 そして今、その両方が現実になっているように見える。
 中国の繁栄が貿易の中継地という香港の立場を大幅に改善させており、香港の商業施設には中国本土から来た標準中国語を話す人たちであふれている。

 それが問題を引き起こしていることも確かだ。
 香港という人口密度の高い地域に中国からの日帰り旅行客が押し寄せ、社会的な摩擦が生じている。
 都会的な香港の人々は田舎くさい中国本土の人々の習慣に気分を害しやすい。
 例えば、公の場で子供に小便をさせるといった習慣だ。
 一方で、本土の富裕層は香港の不動産の価格をつり上げ、香港の地元の中間層が住宅を持つのを一層困難にしている。
 本土の妊婦が出産にやって来ることで、香港の医療システムには圧力がかかっている。

 本土の人々にはこのような悪い評判があるため、香港では「蝗蟲(バッタ)」と呼ばれることが多い。

 しかし、これらはせいぜいいらだちの要因に過ぎない。
 北京中央からの政治的な干渉は、より根本的な不安をあおっている。

 最後の香港総督を務めた英国のクリストファー・パッテン氏は著書「東と西」の中で、香港の元役人の主張をからかっている。
 同氏によると、この元役人は、中国当局者は選挙で不正工作をしたがらないと述べ、それは
 「彼ら当局者が選挙結果を事前に知りたいからにすぎない」
と主張したというのだ。

 これは、まさしく31日の中国全人代の決定がもたらす長期的な波及効果だろう。
 だが、最も喫緊の効果は、市民の闘争が増えることだろう。



サーチナニュース 2014-09-02 17:35
http://news.searchina.net/id/1542425

香港行政長官には中央に対抗する者は過去、現在、将来とも絶対に就任できない
=中国大陸側責任者

 中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会の李飛副秘書長は1日、香港で
 「中国中央に対抗する立場を変えない者は、過去と現在はもちろん、将来も絶対に、行政長官に就任することはできない」
と述べた。
 中国新聞社が報じた。

  全人代は8月31日、2017年に実施される香港行政長官の選出方式を発表した。
 一般有権者による投票方式だが、立候補者にあたっては「指名委員会」の承認を必要とする。  指名委員会は中国中央寄りの人物が多く選ばれるので、民主化の推進を求めるなどで、中国中央、中国共産党に反対する人物は事実上、立候補は不可能と見られている。
 中国大陸側は、一般住民の投票で選出することから、「2017年の行政長官は普通選挙による」と説明。
 しかし香港側では「民主的な選挙でない」との反発が発生した。
  李副秘書長は香港を訪れ、1日午後に香港特別行政区の政府高級幹部を前に、普通選挙についての決定事項などを紹介し、中国側の姿勢と方針を説明した。
  李副秘書長は、
 「香港が祖国に復帰して17年になる現在も、少数の者は依然として中国が香港に対する主権を回復した事実を受け入れようと思わず、中央の香港に対する管轄統治権を認めようと思わない」
と論じ、そのような人々は
 「一国二制度と香港基本法の定めに『別の解釈』を施し、外部勢力の助けを借り、絶えず政治紛争を挑発し、中央政府に矛先を向け、香港をひとつの政治実体に変えようとしている」
と主張した。
  李副秘書長はさらに、
 「全人代常務委員会はこのたび、行政長官の普通選挙制度の核心的問題を決定した。
 香港社会で論争を呼んだ最大の問題に、明確な規則を定めた」
と発言。
 その結果として
 「中国中央に対抗する立場を変えない者は、過去と現在はもちろん、将来も絶対に、行政長官に就任することはできない」
と述べた。
  中央に対立する人物を、香港政府トップである行政長官に就かせることができない理由としては
 「必然的に中央の香港に対する管轄統治権を損ね、必然的に国家の主権、安全、発展の利益を損ねることになる。
 香港の繁栄と安定を損ねることになる」
と述べた。
 さらに
 「香港社会には、中央は香港の少数意見にも妥協してほしいとの希望もある」
と述べた上で
 「彼らの希望とその出発点はよい。
 しかし、もしも普通選挙問題における政治の実質をはっきりと認識し、普通選挙問題の論議に絡む重大な原則問題をみれば、妥協はできない」
と断言した。
 李副秘書長は、
 「香港が直面する最大の問題は、少数の問題が普通選挙を議題に、たえまなく社会の紛争を作りだし、経済発展を阻害し、民生の改善を妨害していることだ」
と述べた。

**********

◆解説◆ 

 李副秘書長は「少数」とは形容したが、
 「依然として中国が香港に対する主権を回復した事実を受け入れようと思わず、中央の香港に対する管轄統治権を認めようと思わない」者が存在することは認めた。
 ただ、李副秘書長の説明には、かなりの疑問点がある。
 実際には、香港で民主化を求めるグループが6月下旬に実施した投票では、「西側と同様の選挙」、つまり「立候補に制限を設けない普通選挙」を求める意見が約70万分集まるなど、人民日報による「投票総数は10万に満たない」との事前予想よりもはるかに多い結果となった。
 さらに問題なのは
 「中国中央、あるいは中国共産党に対する不信や反発が多いこと」
の理由の分析、または自省の言葉がまったくないことだ。
 あるいは
 「個人的には十分に分かっているが言えない」
とも解釈できる。
  李副秘書長は代わりに、香港で政治的混乱が続くと「経済発展を阻害」と論じた。
 経済における恩恵をもたらすことで支持を固めるのは、中国共産党が国内において1990年代から盛んに用いて、成功してきた方法だ。
 中国共産党はその後、香港に対しても、台湾に対しても同様の発想で接するようになった。
 そして、かなりの程度の成功を収めたといってよい。
  ただし、中国大陸部でも
 「経済的恩恵さえもたらせば、支持はゆるぎなくなる」との時代は過去のもの
になりつつある。
 そもそもが、かつてのような高度経済成長は中国においても、すでに実現が不可能になった。

 台湾でも今年(2014年)3月、発効直前だったサービス貿易協定に学生らが「ノー」を突きつけた。
 同協定については、現在もまだ進展をみていない。
 中国中央は現在、強引であったとしても香港のトップに大陸側と親和的な人物を据えようとしている。
 中国国営の中国新聞社は李副秘書長の発言を
 「非常にきつく聞こえるが、しかし極めて切実な期待に満ちている。
 それは、現実にそぐわない考えの持ち主が、国を愛し香港を愛する立場に登ってくることだ」
などと解説した。
  仮にそうだとしても、李副秘書長の言葉に改めて納得する人が、そうはいるとは思えない。
 大陸側は、香港住民の大多数を真に納得させなければ、香港と大陸の関係で、
 「形は統一。心は分裂」
という事態がさらに進行することになる。
 香港人にとっても大陸人にとっても「幸せな状態」とは思えない。
 主要な責任は「主権を有する中国中央」にあるということになる。




2014.09.03(水)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41641

社説:香港の選挙を巡る難しい選択
(2014年9月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

17年行政長官選挙制度で二分する香港

 英国と中国が1984年に香港返還の条件で合意した時、中国サイドは香港が「一国二制度」の原則の下で運営されることに同意した。
 これは中国が香港に対し、本土で認められているよりも大きな政治的自由を許すことを意味した。
 だが、中国政府は、香港にどんな選挙制度を持たせてもいいか後日決める権利を留保した。

 不確実な時期を経て、中国は決断を下した。
 香港の市民は自分たちの指導者を選ぶことができる――ただし、それは香港市民が中国の特徴を備えた民主主義を受け入れる場合に限る、というものだ。

■香港基本法の範疇でぎりぎり許される希薄な民主主義

 中国政府が選んだ複雑な選挙プロセスは、基本法――1997年の香港返還前に中国が英国と調印した香港のミニ憲法――の条文の範囲内で許される中で最も希薄な形の「民主主義」だ。
 基本法の条文の中で、中国は香港市民が普通選挙によって行政長官――香港の市長に相当――を選ぶことに同意している。

 8月31日に明らかにされた中国政府の決定は、その誓いの字義には従っている。
 だが、提案されたのは、減衰した形の民主主義だ。
 中国の全国人民代表大会(全人代)は、2017年の香港行政長官選挙の候補者は、1200人から成る指名委員会の過半数以上の推薦を得なければならないと定めた。
 そして、個人および法人の選挙人約25万人によって選ばれる指名委員会の構成は、親中派が多数を占める。

 中国政府の決定は、中国に敵対的な候補者が、有権者にアピールする機会を得る前に排除されることを確実にする。
 「中国を愛する」者だけが出馬すればいい。
 そしてこの審査を通った候補者が、1人1票の原則に基づいて有権者に提示されることになる。

 中国はもっと譲歩できたはずだ。
 結局のところ、中国政府は選出された行政長官を承認する最終決定権を持つからだ。
 確かに、選挙後にこの拒否権を発動することには、憲政危機を引き起こすリスクが常に伴う。
 だが、大半の人は、香港の有権者は極めて実利主義、現実主義であり、中国政府と露骨に敵対する人物を行政長官に選ぶことで香港の繁栄を危険にさらすようなことはしないと考えている。

 にもかかわらず、中国政府は香港の民主化運動の急進的な性質に不安を覚えたようだ。
 北京の指導部は、中国が与えてもいいと思っていた以上の選挙の自由を求めた、香港の6月の非公式住民投票に不快感を覚えた。

 はっきりしていることは、中国が基本法に調印した時に背負った義務を、条文の文字通り果たすということだ。
 中国の指導部は金融センターとしての香港の地位を低下させたくないし、国際的な合意を守らなかったという批判にさらされたくもない。
 だが、中国政府は必要最低限のことしかしない。

■中国の強硬姿勢が香港の地位を損なう恐れ

 その結果、香港の市民は厳しい選択を迫られる。
 香港は、北京の政治的君主から突きつけられた半端な選挙を受け入れることもできる。
 あるいは、香港の立法会(議会)で法案可決に必要な3分の2の議席の承認を与えないことで提案を否決することもできる。
 後者の場合、現状は変わらない。

 中国政府が立場を後退させることはなさそうだ。
 だが、中国政府はそれによって自国の利益が損なわれていることを認識すべきである。
 中国の態度は香港の穏健派の反発を買い、香港の自治には常に限界があることを理解している人々をも怒らせた。
 香港でも中国政府が決定権を持つという主張は恐らく台湾でも注目され、台湾の多くの人が中国への接近は危険だと判断するかもしれない。

 何にも増して、中国の対応は、商業と金融のハブとしての香港の特性を守るために設計された「一国二制度」を弱体化させた。
 これは中国がやる必要のなかったことだ。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月24日 18時7分
http://www.recordchina.co.jp/a94676.html

香港世論調査、2割が海外移住を検討
=香港政府と中国政府に不信感―英メディア

2014年9月22日、英BBC(中国語電子版)は、香港人の5人に1人が政治不信を理由に海外移住を検討していると報じた。

香港中文大学が9月10~17日に1006人を対象に行った調査で、21%が香港政府と北京の中央政府への不信感から海外移住を検討していると答えた。

香港の金融街・中環(セントラル)地区を多くの群衆で占拠して抗議するという民主派の計画については、支持が31.3%、不支持が46.3%だった。



【描けない未来:中国の苦悩】




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2014年8月29日金曜日

「マシュマロ軍隊:中国解放軍」の憂鬱::見かけは大きいが中身はスカスカ

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JB  press 2014.08.29(金)  阿部 純一
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41583

両立は困難、
習近平はなぜ2つの改革に挑むのか反腐敗キャンペーンで軍部は混乱

 6月30日の徐才厚・前中央軍事委副主席(政治局委員)の党籍剥奪処分で、軍における反腐敗キャンペーンは一段落したように見える。
 しかしながら、胡錦濤時代、軍の人事を壟断してきた徐才厚が残した負の遺産は計り知れない。

 徐才厚に賄賂を送って昇格した高級軍人はいまだに軍の中枢にいるわけであり、また、徐才厚と共に中央軍事委副主席にあった郭伯雄が、腐敗汚職の件でいつ「落馬」(中央紀律検査委による査問の公表)してもおかしくない状況にあると言われている。

 実は郭伯雄も徐才厚に負けず劣らずの腐敗ぶりだったとされる。
 その郭伯雄に連なる高級軍人といえば、現職の国防部長である常万全がいる。
 また、現職の中央軍事委副主席である范長龍も徐才厚によって抜擢された人物と見られている。
 これらの軍人が腐敗と無縁であったとは考えられない。
 その意味でも軍における反腐敗キャンペーンは、もうしばらく続くと考えた方がいいだろう。

■習近平打倒の政変が画策されていた?

 本当かどうか確証のない話を紹介するのは気が引けるが、8月6日の中国語ネット「博訊新聞」が伝えたところでは、習近平の進める無差別の反腐敗キャンペーンに危機感を抱いた范長龍、房峰輝(総参謀長)、常万全らが郭伯雄を擁護し、習近平を打倒する政変を画策したとされている。

 ここに房峰輝が加わっていることに違和感を覚える向きもあるかもしれない。
 房峰輝は北京軍区司令員として、2009年の建国60周年を祝う軍事パレードの総指揮を務め、胡錦濤とともに観閲車から閲兵した人物で、胡錦濤のお気に入りの将軍と見られていたからだ。

 しかし、房峰輝はれっきとした郭伯雄人脈なのだ。
 2人の出身地である陝西省咸陽の地縁関係にあるわけで、直系の師弟関係にある。
 常万全は年齢的に郭伯雄に近いことから、関係はさらに濃密と言えるかもしれない。
 常万全が蘭州軍区第47集団軍の軍長に就任したのは、郭伯雄の後任としてであった。

 徐才厚が出身地の遼寧省瓦房店を中心に、瀋陽軍区の人脈を形成したのと同様、郭伯雄も蘭州軍区を人脈の形成拠点としてきた。
 徐才厚が「東北幇」の頭目とするなら、郭伯雄は「西北幇」の頭目と位置づけられるのである。

 習近平はいまだ健在だから、郭伯雄が目論んだ政変はなかったのかもしれないし、あったとしても未遂に終わったのだろう。
 この話自体、江沢民派の飛ばしたデマだという報道もある。
 しかし、人脈的な事実関係は間違っていないことから、本当にデマかどうかも分からない。
 ただ肝心なことは范長龍以下のメンバーも依然として現職にとどまっているということである。
 郭伯雄の「落馬」が明らかになれば、「次はわれわれの番かもしれない」という動揺が彼らの間で高まり、不穏な動きに出る可能性は排除できないだろう。
 腐敗に関しては「身に覚えのある」高級軍人は多数いるだろうから、糾合すれば大きな勢力になるかもしれない。

■「戦える」「勝てる」軍隊を作る改革

 ところで、習近平は軍事改革にも意欲的だとされる。
 人民解放軍の機構改革や「裁軍」(兵員削減)は、鄧小平、江沢民時代に実行に移され、胡錦濤が中央軍事委主席に就任した2004年に、総装備部の新設と海・空・第二砲兵の司令員が中央軍事委員会入りして現在の体制が作られ、以来10年間、目立った軍の改革は行われてこなかった。
 しかし、2013年11月に開催された党18期3中全会において改革の全面深化に関する決定が採択され、その中に軍事改革も盛り込まれていたのである。

 習近平にとって、軍事改革と反腐敗は同列にある。
 腐敗した軍隊がまともに戦闘に従事するとは考えにくいからである。
 腐敗を撲滅し、綱紀粛正を図るとともに、「戦うことができ、勝利することができる(能打仗、打勝仗)」軍隊を作り上げるのが、習近平の意図する軍事改革であろう。

 習近平が中央軍事委副主席だった胡錦濤政権後期には、軍における腐敗状況はすでに周知のものとなっていたことを考えれば、習近平が政権を掌握して間を置くことなく「能打仗、打勝仗」を軍の方針としたのは、彼が好戦的な指導者というよりも、そうしなければ軍としての体裁がとれないと考えたからだろう。

■鄧小平の軍事改革を目の当たりにした習近平

 そこで思いつくのは、習近平が1979年に清華大学を卒業し、最初に就いた職務が、当時副総理の職にあった耿飈(コウヒョウ)の秘書として国務院弁公庁で働いたことだった。
 いくら清華大学卒とはいえ、一介の新卒学生がそんなポストに就くのはあり得ない話だが、耿飈が習近平の父・習仲勲と親しい関係であったから実現したわけであり、まさに「太子党」ならではのことであった。

 耿飈はまた79年には中央軍事委員会秘書長も兼務し、81年から82年には国防部長でもあった関係で、秘書の習近平は、軍の情報にアクセスする必要から軍籍に入った。

 習近平が耿飈の秘書を務めたのが1979年から82年までである。その頃の中国といえば、鄧小平が実権を掌握したばかりの時期でもあったが、79年1月に米国と国交を樹立するとすぐにベトナムに対し「懲罰戦争」を開始した頃でもあった。

 中国とベトナムとの、いわゆる中越戦争について、ここで詳しく紹介する紙幅はないが、この戦争を開始した鄧小平にとって、これは軍事改革を進めるための人民解放軍に対する試練と位置づけていた。
 鄧小平が実権を握った1980年代初め、人民解放軍は文革時代に兵員約400万にまで肥大化した軍隊のままで、階級制度もなく、とても近代的な戦争を戦える組織ではなかった。
 表向きには、中越戦争は中国側の大勝利と喧伝されているが、実際にはベトナムの反撃によって甚大な人的損害を出している。
 鄧小平の目論見通り、人民解放軍が近代的戦争を戦える軍隊ではないことを身をもって体験させたことになる。

 そういった時期に習近平は、党や軍の中枢が戦わす軍事改革をめぐる議論を間近に見ていたことになる。
 82年に耿飈の元を離れ、河北省、福建省、浙江省、上海と地方での政治キャリアを積んでいくが、鄧小平の改革開放政策、軍事改革の初期段階を北京で目の当たりにした習近平が影響を受けなかったとは考えにくい。

 鄧小平は1985年から86年にかけて100万人兵員削減という最大規模の軍のリストラを断行し、陸軍を集団軍に再編した。
 同時にこれまでの11大軍区を7大軍区に整理統合し、1988年には65年に廃止されていた軍の階級制度を復活させ、人民解放軍は近代的軍隊の体裁を整えていったのである。

 以来、人民解放軍の基本構造は大きく変わることなく30年近く経過している。
 現在の人民解放軍の総兵力は230万を数え、世界最大規模の軍隊であり、その過半は陸軍が占めるという伝統的大陸国家の軍隊のままである。

■本格的に統合作戦能力の強化へ

 この人民解放軍を、習近平はどのように改革していくのか。

 習近平の軍事改革に具体的な青写真があるかどうかは知らない。
 しかし、巷間言われていることを断片的に挙げれば、例えば
★.兵員規模を陸軍を中心に80万人削減し150万人にする、
★.政治将校制度を見直す、
★.軍内における歌舞団など非戦闘員の削減、
★.7大軍区を5大戦区に統合する、
などがある。
 それぞれ、実際に行おうとすれば内部の強い抵抗は避けられない案件である。

 しかし、中国は2014年7月から人民解放軍の陸・海・空・第2砲兵部隊を動員する全国規模の大軍事演習を実施しており、そのために総参謀部内に各軍種の一体運用を図る「統合作戦指揮センター」を設置したことが報じられている。
 軍種をまたぐ統合作戦能力が劣ることは人民解放軍の弱点であり、そのための統合作戦演習なども10年以上前から行ってきた経緯があるが、いよいよ本格的に統合作戦運用のための指揮部門を新設したことになる。

 2013年11月に突然設置された東シナ海上空の防空識別圏についても、「東シナ海合同作戦指揮センター」が常設され、海・空軍の一体運用が図られている。同センターも指揮権は総参謀部にあるとされていることから、前記「統合作戦指揮センター」の機能の一部となっていると思われる。

 こうして見ると、習近平の軍事改革はすでに動き出していると言ってよいだろう。
 しかし、軍内の反腐敗キャンペーンが今後も継続されるなかで、どこまで本格的な軍事改革ができるのか。
 その一方で、最前線である軍の末端に、「能打仗、打勝仗」というプレッシャーばかりかければ、
 戦闘機の異常接近など本来すべきでない危険行為も
 「英雄的行動」として兵士を駆り立ててしまう
ことになりかねないし、すでにその傾向が見られる。

 反腐敗キャンペーンが軍中枢の動揺と混乱を招くなかで、軍中枢の指揮命令系統に不安が生じることを防ぎきれるのか。
 反腐敗と軍事改革という、本来同時に行なってはならないことを習近平はやろうとしている。




ロイター 2014年 08月 29日 18:47 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0GT0VZ20140829?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

中国軍将校「米軍機にもっと接近を」、潜水艦偵察に対抗呼び掛け

[香港/北京 29日 ロイター] -
 中国の海軍将校は今週国営メディアで、南シナ海上空の国際空域で前週に中国軍の戦闘機が米軍の対潜哨戒機に異常接近した問題について、
 中国機は米軍機にもっと近づく必要があった
との見解を示した。

 中国の軍事専門家らは、弾道ミサイル搭載潜水艦隊に対する米国の偵察行為を阻止する中国側の断固とした決意を反映し、今後も同国沖の危険な接近行為は続く見通しで、場合によっては強化されると指摘する。
 これは、パイロットの独断的な行動ではなく、上層部の指示の下での行為の可能性があるとしている。

 張召忠・海軍少将(中国国防大学所属)は共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報に対し、
 「(これまでは)彼らに十分な圧力をかけていなかった
と述べ、
 「ナイフを喉に突き付けることが唯一の抑止力だ
 今後は、米偵察機にさらに近づいて飛行する必要がある
と言明した。

 米国防総省は、今月19日に中国の戦闘機が米海軍の最新鋭対潜哨戒機P8(ポセイドン)に異常接近したとして、中国側の行動を危険と非難。
 一時は翼端から9メートルの距離に接近し、その後「バレルロール」と呼ばれるアクロバット的飛行も行ったという。

 中国側はこれは根拠のない非難と一蹴し、安全な距離を保っていたとの見解を示している。

 軍事専門家らは、米国の偵察が海南島の基地所属の潜水艦隊に向けられていたようだと指摘する。
 その中には、中国の核抑止力戦略で主要な位置を占めることになるとみられる核武装弾道ミサイルが搭載可能な潜水艦もある。

 香港の嶺南大学で本土の安全保障を専門とする張泊匯氏は、
 「長期的には、このような潜水艦は中国にとって効果的な抑止力という意味で唯一の望みであり、極めて重要だ」
と指摘する。

 米国防当局者は、米軍機に異常接近した中国のパイロットは海南島の部隊の所属で、この部隊は3月、4月および5月の接近飛行にも絡んでいるという。
 同当局者は2013年末以降、米軍機に対する「非標準的でプロらしくない危険な」妨害行為が増加傾向にあるとした。

米軍は昨年終盤以降、沖縄にP8対潜哨戒機6機を配備している。

 ワシントンの米高官は、
 異常接近の権限を与えたのが中国の指令系統のどの階層なのか
 あるいは
 現地の司令官またはパイロットが独断的に行動したのか
米国は把握していないと述べた。

 米中の軍当局者は今週ワシントンで、空と海での行動規範をめぐり協議している。

 日本もこれまで、中国が昨年11月に東シナ海上空で設定した防空識別圏で、中国軍の戦闘機が自衛隊機に接近したとして批判している。
 4─6月に中国機に対して自衛隊機を緊急発進(スクランブル)した回数は104回で、前年同期よりも51%多い。

 台湾は26日、中国軍機が台湾の防空識別圏に進入したため、戦闘機が緊急発進したと明らかにしている。中国は通常の飛行だと主張している。


2014年8月28日木曜日

アジアの海洋トラブルは棚上げ不可能な紛争:膨大な潜在的資源規模

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ロイター 2014年 08月 27日 15:53 JST
John Kemp
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0GR0E220140827

コラム:アジアの海洋紛争は棚上げ不能「創造的」外交を

[ロンドン 26日 ロイター] -
 南シナ海と東シナ海において中国が主張する領有権の範囲をめぐり、米国と中国は、双方にとって有害な対立へと向かっているように見える。

 中国としては、石油その他エネルギー全般で世界最大の輸入国となっている以上、国内からのエネルギー供給態勢を拡充することの緊急性は一段と高まっている。
 そのため、何らかの法的もしくは外交的手段を通じて領土紛争が解決できるまで、中国が南シナ海と東シナ海でのエネルギー開発や生産を凍結すると期待するのは非現実的だ。

★.問題の一端は、西側のアナリストや政策担当者がいまだにこれらの地域の戦略的重要性を適切に評価できないことにある。
 中国と近隣諸国の海洋紛争は、無人島や水面下の環礁、歴史的な漁場で発生し、第2次世界大戦に伴う未解決の外交事案に由来するケースもあると特徴づけられている。

 だが現実は、こうした紛争の核心は南シナ海と東シナ海に眠るとみられる大規模な石油・天然ガス資源の支配権だ。
 これらの石油・ガス資源は、同地域のすべての国にとって経済的発展に不可欠な要素となり得る。

 中国が南シナ海を同国にとって台湾やチベットと同様に「核心的利益」(妥協の余地のない国益)に含まれると主張し始めた際に、米国の外交官は落胆し動揺したと伝えられる。

 しかし南シナ海や東シナ海の石油・ガスが持つ大きな開発余地を踏まえれば、この問題を、いつまでも対応を先送りできるような些細な案件として処理するのが不可能なのは一目瞭然だ。

■<棚上げ不可能な紛争>

 米外交官は時折、中国と近隣諸国の紛争を棚上げしたいと考えている様子だが、この態度は無益で危険といえる。

 ヘーゲル米国防長官によると、米国は南シナ海と東シナ海のいずれでも、対立する領有権の主張のどちらにもくみしないとしながら、紛争が「国際法に則って」平和的に解決されるよう望むとしている。

 今年5月にシンガポールで開催された地域の安全保障をめぐる会議では、ヘーゲル長官は中国が南シナ海で領土的主張を強めていることを、一方的な行動で地域を「不安定化させている」と名指しで批判した半面、中国の対立相手については特に非難しないという態度を示し、中国が猛反発した。

 さらにデンプシー米統合参謀本部議長が、米軍の制服組トップとしては1971年以降で初めてベトナムを訪問し、中国側は米国が包囲網を形成し、ひそかに中国と紛争中の諸国を支援しているのではないかとの疑念を強めた。

 米国は、中国が東シナ海に設定を宣言した防空識別圏を認めることを拒絶するとともに、尖閣諸島について領有権をめぐる見解は明らかにしなかったものの、日米安全保障条約の適用対象に含まれると主張した。

 もっともこうした領有権問題に踏み込まず、外交的解決の見込みが薄い紛争の現状維持を目指そうとする戦略は危険で、対立が深刻化する恐れがある。
 現状維持は、決して事態が安定しているわけではないからだ。

■<膨大な潜在的資源規模>

 西側のアナリストや政策担当者は、紛争地域の石油・ガス資源を重視しないきらいがある。
 ただこれは恐らく、すべて開発された場合に回収できるとみられるこれらの資源規模を過小評価しているせいだろう。

 南シナ海と東シナ海にはともに、古代の海底や湖に蓄えられた泥や有機物質などの堆積層がいくつも重なった海盆が存在し、既に相当量の石油やガスが発見されてきた。

 米国地質調査所(USGS)は2010年、南シナ海にはまだ発見されていない原油約110億バレルと天然ガス145兆立方フィートが存在すると推定している。

 世界全体でみればこれはそれほど大規模ではないとはいえ、中国にとってはずっと重要性が高い。

 USGSの見積もりは沿岸地域を除外し、紛争の中心である南シナ海中央部の島しょや環礁の近くの深海に眠る資源も含まなかった。
 南シナ海はまだ比較的開発されないままの状態にあり、これからかなりの規模の資源が発見される余地が残されている。
 そして中国の石油会社の見積もる資源量は、西側アナリストよりも大きい。

 中国と日本が対立する東シナ海に存在する可能性のある炭化水素の規模はずっと小さいことは良く知られている。
 だが相当程度の石油・ガスを回収できると信じるに足る十分な根拠はある。
 いくつかの油田やガス田も既に発見されている。

■<法的解決>

 超深海の掘削技術進展により、遠海油ガス田の探鉱・生産の余地はかつてないほど拡大し、南シナ海と東シナ海における領有権の対立も現状維持のままではすまなくなりそうだ。

 米国の外交官は、紛争は国際法や規範、外交交渉で解決可能と示唆しているものの、具体的にどのように達成していくのかは提案していない。

 一連の紛争の中で、フィリピンは国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、中国を仲裁裁判所に提訴した。
 中国と近隣諸国の紛争解決にはUNCLOSが適切な法的枠組みだと多くの外部専門家は指摘してきた。
 しかし実際には、主権が確定している地域における関係者の船舶航行権や漁業権などを判定するUNCLOSは、領土主権自体の争いには役に立たない。
 また中国は既に、仲裁裁判所が乗り出すことを拒否しており、この取り組みが失敗に終わるのは目に見えている。

■<創造的な外交>

 紛争当事国の外交担当者は今、自らが紛争地域を歴史的に支配してきたという主張を裏付けるのに役立つ古文書や書簡、芸術作品などの発掘に余念がない。

 それでもこうした歴史的な調査が双方納得するような解決につながりそうにないのは、英国とアルゼンチンのフォークランド(アルゼンチン名はマルビナス)諸島をめぐる対立がなお続いていることからも明らかだ。

 唯一の現実的な解決策は外交だ。
 南シナ海と東シナ海の沿岸諸国は、安全保障上の利益のために主権を分割し、共有しなければならない。
 そして平和的な資源開発を認める必要がある。

 こうした資源開発の共同管理の事例はたくさんあり、スピッツベルゲン島周辺の北極海におけるロシアとノルウェーや、中立地帯を設定したサウジアラビアとクウェートなどが挙げられる。

 日本と中国も最近対立を深める前には、東シナ海の日中中間線付近にあるガス田(日本名は白樺、中国名は春暁)の共同開発に合意していた。

 特に米国にとっては、外交的解決に向けた課題は、すべての当事国にメリットがあるような方策を探り出す手助けをすることにある。

 ところが米国はその代わりに、あらゆる当事国の態度を硬化させ、はっきり定義されない法的な手続きが一段落するまでは紛争を棚上げできるとの見解を示してきた。

 この戦略はうまく働かず、地域の緊張を和らげるどころか高め、当事国は妥協と共通の解決策を模索せずに自らの要求を極大化してしまう。

 今こそ西側の政策担当者は、南シナ海と東シナ海における石油・ガス資源開発が必要不可欠かつ望ましいものであると認めなければらなない。
 石油・ガス開発は、対立と競争をもたらすよりも、協力を進める安定した力になるはずだ。

(*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)




【描けない未来:中国の苦悩】


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2014年8月27日水曜日

中国が国産OSを10月にも発売、マイクロソフトなどに対抗:2年内にウィンドウズXPから中国産OSに切り替え

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●27日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版は記事「中国、国産OS開発を推進」を掲載した。早ければ今年10月にもパソコン用OSが発表される。2年以内にウインドウズに代わる主流OSになると関係者は意気込みを語った。写真は中国のパソコンショップ。


ロイター 2014年 08月 25日 13:55 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GP08F20140825/

中国が国産OSを10月にも発売、マイクロソフトなどに対抗=新華社

 8月24日、中国国営新華社通信は、中国が米マイクロソフトやグーグル、アップル製の輸入基本ソフト(OS)に対抗するため、10月までに国産OSを発売する可能性があると報じた。

[上海 24日 ロイター] -
 中国国営新華社通信は24日、中国が米マイクロソフトやグーグル、アップル製の輸入基本ソフト(OS)に対抗するため、10月までに国産OSを発売する可能性があると報じた。

 米中間でサイバーセキュリティーに関して多くの問題が起きたことから、コンピューター技術分野で両国の緊張が高まっている。
 中国は現在、国内産業がマイクロソフトのウインドウズのほか、グーグルのモバイル機器用OSアンドロイドに追いつけるよう支援することに関心を寄せている。

 新華社は3月に設立された公式のOS開発組織を率いるNi Guangnan氏の話として、OSはまずデスクトップ端末向けが登場し、その後にスマートフォンや他のモバイル端末向けに拡大する計画だと報じた。

 Ni氏のコメントは当初、工業情報化省(MIIT)が運営する政府の公式業界紙、人民郵電ニュースが報じた。

 それによると、Ni氏は「中国産のデスクトップ向けOSを10月までに発売したい」と同紙に語った。
 中国独自のOSは既に存在するが、中国の技術と先進国の技術には大きな開きがあるとしている。

 Ni氏は中国国内で
 デスクトップ向けを1─2年以内、モバイル向けは3─5年以内に国産OSに切り替えたい
との考えを示した。

 中国は5月、政府にマイクロソフトの最新OSであるウィンドウズ8の使用を禁じた。
 このことは米国のハイテク企業に打撃となり、中国政府による自国企業を保護する動きではないかという懸念が強まった。
 マイクロソフトは独占禁止法違反の疑いで調査も受けている。

 中国は昨年3月、グーグルがモバイル端末向けOSのアンドロイドを通じて中国のスマートフォン業界を支配しすぎており、一部の中国企業を不公平に取り扱ったと指摘した。

 米諜報機関が「裏口」の非公式な監視ツールを米国製機器に搭載しているとエドワード・スノーデン氏が暴露した後で、ハッカー攻撃をめぐる米中両国の不信感は一段と強まった。
 米司法省は5月、中国軍関係者5人を産業スパイの罪で起訴している。

 Ni氏は、ウィンドウズの使用禁止は、中国の業界が自社システムを推進する上で大きなチャンスになるが、国内業界はさらなる開発と投資が必要だと指摘した上で
 「グーグル、アップル、マイクロソフトに対抗できる環境づくりが、成功のカギを握る」
と付け加えた。

*見出しを修正して再送しました。



サーチナニュース 2014-08-26 21:51
http://news.searchina.net/id/1541716

中国が「国産OS」発表か=中国メディア

 中国メディアの中国広播網は23日、中国工程院の倪光南院士の発言として、中国が米マイクロソフトや米アップルのオペレーションシステム(OS)に替わる国産OSを10月にも発表する可能性があると伝えた。

  中国はIT分野において先進国に大きな差を付けられており、記事はネットインフラやスマートフォンなどといったデバイス、OSに至るまで「基幹技術は他国の企業が握っている」と指摘。
  特にOSの分野においては他国の企業などが独占的地位を築いているとし、中国は国産OSの開発と産業化の推進のため、中国工程院の倪光南院士を主任とする「中国智能終端操作系統産業連盟」(中国)という組織をすでに立ち上げていると伝えた。
  中国政府がマイクロソフトのOS「Windows8」を政府調達の対象から除外したことについて、倪光南院士は「中国企業にとっては好機」であると述べ、
★.まずは2年内にウィンドウズXPから国産OSに乗り換えさせ、
★.3-5年内にパソコンから移動端末までカバーするOSを開発したい
と述べたことを紹介した。


 「上意下達」の中国で「下意上達」のシステムをつくろうとする、ということになる。
 まずは、パクっておいて、西側のレベルアップにしたがってそれに追随する形で修正を加えていくことになるのだろう。
 ソフトの世界も混戦模様になってきた。


レコードチャイナ 配信日時:2014年8月30日 23時50分
http://www.recordchina.co.jp/a93352.html

サヨナラ、ウインドウズ!
中国国産OSのリリース間近、2年以内に主流目指す―米メディア

2014年8月27日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版は記事「中国、国産OS開発を推進」を掲載した。
新華社の報道によると、中国は現在独自の国産OSの開発を進めている。
最終的にはウインドウズ、アンドロイド、iOSに並ぶ世界的なOSに成長させ、パソコン、タブレット、スマートフォンのOS国産化を実現させたい構えだ。

今年3月に発足したスマートデバイスOS産業連盟の技術専門家委員会主任の倪光南(ニー・グアンナン)氏は早ければ今年10月にはパソコン用OSが発表されると明かした。
その後、タブレット、スマートフォンとジャンルを拡大していく方針だ。
パソコン用OSでは2年以内、モバイルでは3~5年以内に国産OSを中国の主流にしたいと意気込みを語った。

特にパソコン用OSは今がチャンスだと倪氏は分析している。
中国ではいまだに主流のウインドウズXPだが、マイクロソフト社は今年4月にセキュリティサポートを打ち切り大きな衝撃を与えた。
一方で最新のウインドウズ8には中国人ユーザーの抵抗感も強いのが現状だ。
倪氏は1~2年の間は中国が独自にXPユーザーにセキュリティーサポートを行い、その後に国産OSに切り替えていくというロードマップを示した。

もっともその道は容易ではない。
単にOSの開発だけではなく、さまざまな機器で動作するかという適合性の確認やアプリの開発など取り組まなければならない課題は多い。



Newsweek 2014年9月17日(水)15時01分 [2014年9月 9日号掲載]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2014/09/post-3393_2.php

外国企業排除を狙う中国産OSの限界
China Wants to Build a New Operating System. Will It Work?


●外国製テクノロジーへの依存は断ち切れるか Reuters

 外国製テクノロジーへの依存から自国を脱却させようと躍起になっている中国政府が、新たな試みに出た。
 中国独自のOSを導入すると発表したのだ。

 10月にも誕生するとみられる中国産OSはデスクトップ向けで、その後はタブレットや携帯電話にも対応する予定だという。
 工業情報化部の指揮の下、中国トップレベルのソフトウエアエンジニアである倪光南(ニー・コアンナン)が開発に参加する。

 この発表は、IT大手各社が中国市場への足掛かりに苦戦するさなかに行われた。
 中国政府は5月、マイクロソフトに対し、政府機関のコンピューターでウィンドウズ8を使用するのを禁止すると通達したばかり。
 8月にはマックブック・エアを含むアップルの10製品について、政府機関での購入を禁じた。

 外国のIT大手に向けられた中国の対抗心は明らかだ。
 「グーグルやアップル、マイクロソフトと戦える環境を整えているところだ」
と、倪は言う。
 果たして中国産OSはシェアを伸ばせるだろうか。

 ここ数年、中国は成功した外国企業を模倣して世界のインターネットサービスの「中国版」を次々と生み出してきた。
 09年から禁止されているフェイスブックに代わって中国版SNSの開心網(カイシンワン)が人気となり、同じく禁じられているツイッターの代わりに新浪(シンラン)微博(ウェイボー)は6億人以上のユーザーを獲得している。

 グーグルの前には検索エンジンの百度(バイドゥ)が立ちはだかり、かつてアップルが独占していたスマートフォン市場では小米(シャオミ)の製品が躍進する。
 それでもOSとなると話は簡単ではない。
 中国のコンピューターの推定92%がOSにウィンドウズを採用し、
 小米の製品を含むスマートフォンの85%でグーグルのアンドロイドが使われている。
 そのシェアは圧倒的だ。

 中国産OSは政府機関で半ば強制的に採用されるかもしれないが、中国国外で使うにはセキュリティー上の懸念が大きい。
 外国企業が協力するとも思えないから、外国製ソフトウエアとの互換性も問題になるだろう。
 つまり、ウィンドウズと同じように機能することは期待できず、国内ですら人気を得られない可能性がある。

 外国企業との競争に執念を燃やし、外国のスパイ活動に疑心暗鬼を募らせる中国政府にとっては、そんな犠牲など取るに足りないものかもしれないが。



サーチナニュース 2014-10-31 20:51
http://news.searchina.net/id/1547898?page=1

中国国産OSメーカー
「米国の競争相手から毎日3万回の攻撃受けている」=中国メディア

 中国メディア・新浪科技は28日、コンピューターの国産OS(オペレーティングシステム)普及を目指す中国で、国産OSメーカー「思普」の張龍会長が
 「毎日米国から3万回以上の攻撃を受けていたことがある」
と語ったことを報じた。

 記事は、28日に北京で開かれた中国OS利用普及会議に出席した張会長がインタビューに対して、10年間にわたるOS開発の歴史を振り返ったと紹介。
 そのなかで
 「サーバーが毎日米国から3万回あまり攻撃を受けていた。
 主な攻撃元は、OSに強みを持つ競争相手だった」
と語ったことを伝えた。
  また、張会長は以前マイクロソフトから協力関係構築のオファーを受けていたことも明かし、
 「申し出を拒否した。
 われわれは民営企業として、自分たちのやりたいことをやる」
としたことも併せて紹介した。
 記事は、かつては「門前払い」された
 同社の国産OSである「SPGnux」が、
現在では山東省、河北省、甘粛省、陝西省など11の地方政府機関や企業で大量に利用されており、中東や東南アジアの国々へも輸出されているとした。
 また、レノボなどと協力関係を結び、SPGnuxがインストールされた製品も生産されたと伝えた。  
  多くの政府機関が導入を進めていることで
 「国産OSに絶好のチャンスがやってきた」
と語る張会長は、現在の課題として国産メーカーの結束が弱く、マイクロソフトよりも力が及ばないことを挙げた。
 一方で
 「マイクロソフトは“張子の虎”だと思っている」とし、
 「SPGnuxのベースになっているLinuxの開発は全世界のトップレベルの人材が携わっている。
 われわれは全世界の知恵を集結しているのだ」
とも語り、今後の発展に自信を見せた。

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韓国人が消滅する?(1):「出生率が低水準」と研究機関、バカバカしい論理

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●子供たちは希少 Getty Images


ウオールストリートジャーナル 2014 年 8 月 26 日 11:06 JST
By JONATHAN CHENG
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204431804580114603034742706?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

韓国人、「2750年までに絶滅か」-低過ぎる出生率

 韓国の出生率はあまりに低いため、韓国人は2750年までに恐竜と同じように絶滅する恐れがあるという。
 韓国国会の委託で行われた新たなシミュレーションの結果だ。

 この疑わしい見通しでは、韓国の人口減少ペースは、隣国である日本のそれを上回る。
 2年前に広く流布されたリポートによると、日本人はおよそ1000年で絶滅するという内容だった。
 このリポートは、一部から懐疑的な見解が寄せられたが、将来の日本の人口動態に関する切迫感を増大させるきっかけになった。

 しかし、そもそも日本の人口は韓国より多い。
 日本の人口は現在、約1億2700万人で、韓国の2倍以上だ。

 さらに悪いことに、韓国の出生率は世界で最も低い部類に入り、人口置換水準の2.1を大きく下回る。
 統計がわずかに異なるものの、米中央情報局(CIA)によると、平均的な韓国人女性が産む子供の数は約1.25人と、日本の1.40人を下回っている。
 出生率が韓国を下回るのは、香港、台湾、マカオとシンガポールだけだ。

 韓国国会立法調査処が行ったシミュレーションによると、出生率が1.19だと想定すると、同国の人口は現在の約5000万人から今世紀末までに2000万人に減少するという。

 このシミュレーションによると、まず初めに韓国第2の都市・釜山が2415年に消滅し、ソウルは2505年に消滅する。

 言うまでもないが、これにはたくさんの「ただし書き」がある。
 シミュレーションの予測する最終的な結末は、とりわけ多くの不確定要素(北朝鮮の問題や朝鮮半島の将来など)や、韓国の移民政策が変更される可能性を考慮していない。

 韓国の出生率が改善する可能性もある。
 経済協力開発機構(OECD)によると、同国の出生率は、低水準だった08年の1.08から近年は回復している。

 韓国は1960年代初頭に朴正熙大統領(当時)が台頭して以降、国家的な家族計画事業に着手し、一家の持つ子供の数を減らすことを積極的に奨励した。

 この政策は1980年代まで続けられたが、効果があり過ぎた可能性がある。
 1980年代の政府のポスターの1つには、
 「人口が過密なわが国にとっては、一家に子供2人でさえも多過ぎる」
と書かれていた。

 朴元大統領の長女である現職の朴槿恵大統領には子供がいない。



サーチナニュース 2014-08-26 21:31
http://news.searchina.net/id/1541714

韓国人が消滅する!?・・・「出生率が低水準」と研究機関=韓国

 中国メディアの騰訊新聞は朝鮮日報の報道を引用し、韓国の2013年の合計特殊出生率が今後も継続すると仮定した場合、2750年に韓国人は地球上から消滅する可能性が高いと伝えた。

 記事は、韓国国会研究サービス機構がこのほど、韓国の13年の合計特殊出生率が1.19という低水準だったと伝えたことを紹介、人口約5000万人の韓国で今後も合計特殊出生率が低水準のまま推移すれば
 2136年には人口が1000万人にまで減少し、2750年には地球上から韓国人がいなくなる計算だと伝えた。
 また、オックスフォード大学の教授が06年に、
 「韓国は世界で初めて人口減によって消滅する国になる可能性が高い」
と警告し、低すぎる韓国の出生率に警鐘を鳴らしていたことを紹介。
  続けて、最新の予測として、
 韓国の人口は2056年に4000万人にまで減少し、
2256年には1000万人に減少する可能性があると伝えた。
 また、人口シュミレーションの結果として、「人口の大規模な移動がないと仮定した場合、釜山市は2413年に最後の市民が誕生し、その後ゴーストタウンになる」と紹介した。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Chee-Onn Leong/123RF.COM)


 韓国の適性人口は「3,500万人前後」である。
 そこまでは減少するだろう。
 その後は安定し、時に増え、時に減る。
 生物の最大の目的は「子孫を残すこと」にある。
 生物が存在する最大の目的は「自己保存」である。
 減りすぎるときはモチロンだが、増えすぎることも「自己保存」を危うくする。
 ウソかマコトか知らないが、増えすぎたネズミは群れをなして水に向かって行進し、集団自死するという。
 自己保存のために環境に合わせて個体数を調整することにより、種の保存を実行するということである。
 「減りすぎた」と生物遺伝子が感じた時は増加に転じる。
 そんなことは常識のこと。
 それを無理にグラフ計算に収めようとするからとんでもない答えが出てくる。
 つまり、今の韓国は人口が多すぎる、ということである。

 日本も同じで適正人口まで人口は減り続ける。
 現在の日本は過剰人口である。
 だから少子化が進行する。
 あたりまえの動きである。
 日本は「8,000万人から9,000万人」が適正人口になる。
 つまり、日本の適性人口は「8,500万人前後」である。
 それまでは減る。
 それを下回るときは増加に転じる。
 人口もウエーブを描く。
 多くなったり少なくなったりする。
 多くなるところを正しいとして、少なくなるところを不可とするバカバカしさは学問的ではない。
 永久に人口が増え続けることが適正な生物動態と思っているわけでもあるまい。
 そんなこと認めたら、いつか地球は人間でうずまってしまう。
 常識的な発想をするべきであろうに

 このニュースソースは下記の聯合ニュースである。


聯合ニュース 2014年 08月 27日(水)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2014/08/26/0800000000AJP20140826001800882.HTML

韓国の少子化深刻 出生児数が過去最低に

【ソウル聯合ニュース】
 韓国の少子化が深刻になっている。昨年の人口1000人当たりの出生児数は8.6人で過去最低となった。
 出産適齢期の人口減少や晩婚化が影響した。
 平均出産年齢も過去最高となった。

 統計庁が26日発表した「2013年出生統計(確定値)」によると、昨年の出生児数は43万6500人で、前年(48万4600人)に比べ9.9%減少した。

 人口1000人当たりの出生数を表す租出生率は8.6人で、統計を取り始めた1970年以降で最低になった。
 租出生率は過去5年間、9人台だったが昨年8人台に落ち込んだ。

 合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数)も1.187人と前年比0.11人減少し、超少子化国の基準となる1.3人を下回った。
 2011年の経済協力開発機構(OECD)の平均は1.7人で、韓国は加盟34カ国のうち最も低かった。

 昨年の出生児数、租出生率、合計特殊出生率が減少したのは、2012年が強い運気に恵まれるとされる60年に1度の「黒竜の年」で、出産が増えた反動が要因となった。

 晩婚化で毎年上昇傾向にある平均出産年齢は昨年31.84歳と前年より0.22歳上昇した。
 平均年齢は毎年上昇し、過去最高を更新している。

 女児100人に対する男児の出生数を示す性比は105.3で、前年から0.4低下し、過去最低となった。性比は103~107が正常値とされる。



ロケットニュース24  27分前
http://rocketnews24.com/2014/08/27/480806/

【衝撃】2750年に地球から韓国人が絶滅という分析結果



 現在、地球には70億人以上の人間が住んでいるとされている。
 人間の数は右肩上がりで増え続けており、総務省統計局の資料によると26年後の2040年には人口は90億人を突破すると予測されている。

 しかし、どの国でも増え続けているわけではないようだ。
 先日、韓国で行われた調査によると。2750年に地球上から “韓国人” が絶滅する可能性があるという。

■2750年に地球から “韓国人” が絶滅?

 2750年に韓国人が絶滅。これは韓国・国会立法調査処が独自に開発したシミュレータによるものだ。
 韓国の合計特殊出生率は1.19と世界的に見て非常に低い出生率である。このペースを維持しつづけた場合、2750年に韓国人が地上から消えてしまうというのだ。

■国家存亡の危機

 その、シミュレーション結果は以下のとおりである。
 まず、2014年現在の韓国の人口は約5000万人。
 現在のペースで人口が減り続けると仮定すると、約120年後の2130年頃に1000万人に激減。
 そこから人口の減少は加速し、2198年に300万人、2379年に10万人、2503年に1万人、そして2750年にはゼロになってしまうらしい。

 英メディア「Telegraph」によると、そうなった場合「世界初の人口減少による国家の消滅」になると報告されているとのこと。

■日本より先に絶滅か

 日本でも、少子高齢化問題が叫ばれて久しい。
 2012年の東北大学の研究によると3011年に日本人は絶滅するというシミュレーション結果が出ているそうだ。

 異なる研究機関での調査結果なので、一概に比較はできないが、『Wall Street Journal』では
 「日本の人口は1億2000万人と、韓国の2倍以上であることが有利に働いているのではないか」
と、分析されている。

 かつては、増えすぎた人口のため1960年代~90年代まで「人口抑制政策」が取られていた韓国。
 それがたった20年で、人口減少による国家存続の可能性に及んでしまうとは……
 もちろんこれらの結果は、最悪の状況を仮定したもの。
 必ずしもこうなるとは限らないが、韓国国会では「政府は少子化問題の解決にもっと努力をすべき」という声があげられているとのことだ。

参照元:hankooki(韓国語)、FOX NEWS(英語)、総務省統計局



サーチナニュース 2014-10-21 05:55
http://news.searchina.net/id/1546463

女性の「健康問題」が深刻化する韓国 
乳がんの罹患率は「東アジア最悪」の状況=韓国華字メディア

 韓国メディア・中央日報の中国語電子版は17日、韓国国内で女性の健康問題が深刻化しており、妊婦10人中1人が流産し、乳がんの罹患率も東アジアで最悪の状況であると報じた。

  記事は、韓国国会の保健福祉委員会の野党議員が16日に
 「健康保険公団の資料で、妊婦10人中1人に流産の経歴があると推測される」
と語ったことを紹介。
 同議員は、昨年1年間で公団から妊婦健診費用の支給を受けた妊婦が46万8769人だったのに対して、新生児数が11.34%(5万3171人)少ない41万5598人に留まったというデータを元に推測していると伝えた。
  そのうえで、自然流産の増加は妊娠の高齢化が大きく関係しており、流産リスクが30代後半から増え始め、40歳以上になると30歳の5倍にも上昇するという同国健康保険政策研究院による分析を示した。
 また、残業の増加など、女性による社会活動が増えたことも流産増加の一因であるとした。

  記事はさらに、韓国人女性の乳がん罹患率が日本を抜いて東アジアで最悪になっていることを紹介。
 2008年には10万人中38.9人だったのが、12年には52.1人と4年間で約33%増加したとする韓国乳がん学会の統計データを併せて伝えた。



レコードチャイナ 配信日時:2014年11月1日 4時40分
http://www.recordchina.co.jp/a96657.html

韓国で急速な高齢化、
ビジネスターゲットは「独身貴族」に―海外メディア

 2014年10月30日、ロイターによると、韓国では高齢化に伴い、洗濯機、包装食品、ペット用品などの消費財メーカーは「独身貴族」にターゲットを絞っている。
 中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

 韓国の消費者の需要は停滞し、影響は経済全体に及んでいる中で、「独身貴族」の消費が注目を集めている。
 彼らは往々にして食品やその他の商品に多くのお金を使う。
 ある34歳の独身男性は
 「既婚の友達と比べて、私は食品やショッピングや趣味に使うお金が多い」
と話す。

 韓国は高齢化が顕著で、晩婚や結婚しない若者が増えている。
 韓国男性の平均初婚年齢は、1990年は男性が27.8歳、女性が24.8歳だったが、昨年には男性が32.2歳、女性が29.6歳に上昇した。

 韓国統計局のデータによると、2012年の単身世帯の全体に占める割合は25.3%で、2035年には34.3%まで上がると予想されている。
 英調査会社ユーロモニターによると、韓国の人口構造の変化は近年の日本の状況に似ている。
 2011年の日本の単身世帯の割合は31.5%で、10年前は27.9%だった。

 韓国産業経済貿易研究所は、単身世帯の消費能力は2020年までに1130億ドル(12兆3542億円)になると予測している。
 これは2010年の2倍の数字である。

 LGエレクトロニクスと大宇電子は昨年から積極的に単身世帯に重点を置き、小型洗濯機、自動掃除ロボットなどの家電を発売している。

 また、韓国農協研究所の報告によると、ペット産業も日々盛んになっている。
 独身者はペットの猫や犬を家族とみなし、ペットのためにはお金を惜しまないからだ。
 韓国ペット産業の規模は、2013年に1兆ウォン(1000億円)で、2020年には6兆ウォン(6000億円)になるとされている。


レコードチャイナ 配信日時:2014年11月20日 0時32分
http://www.recordchina.co.jp/a97711.html

韓国の出生率、世界で3番目の低さに
=韓国ネット「この国はおかしい」「子どもを産むことは不幸の始まり…」

 2014年11月18日、韓国・聯合ニュースによると、韓国の出生率が世界最下位圏であることが分かった。

 人口保健福祉協会が発表した「国連人口基金(UNFPA)における世界人口現況報告書」によると、韓国の2010~2015年の推計年間平均出生率(女性1人当たり)は1.3人。マカオ・香港に続き世界で3番目に低かった。

 これを受け、韓国のネットユーザーは以下のようなコメントを寄せている。

「自分の生活がこんなに苦しいのに、子どものことまで考えられない」
「貧しい人が子どもを産むことは不幸の始まり。
 お金のある人たちが子どもを産んで育てればいい」
「どんなに頑張って働いても、少しも給料が上がらない。
 苦労すると分かっていて、子どもを産む人がいる?」

「芸能人だけがぜいたくをして暮らせるこの国はおかしい」
「若い人たちはみんな移民の準備をしている。国民の血税を吸い取ることしか考えていない政府の下では暮らしたくない」

「外で元気に遊ぶ子どもの姿を、もう何年も見ていないな」
「深刻な問題だ。
 国に子どもがいないということは、未来がないということ」
「この国は滅びるべきだ。
 今の状況では『国』と呼べない」



朝鮮日報 記事入力 : 2014/11/20 11:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/11/20/2014112001630.html

ソウル市民、婚姻率低下で離婚件数も減少
1日平均189組が結婚、55組が離婚
婚姻件数、離婚件数ともに減少傾向
ソウル市民の平均年齢39.7歳、 5年間に小学生が25.9%減少
10人に1人が65歳以上
軽油価格、20年で9倍に
住宅の44.5%がマンション

 先月結婚したある女性は、わずか1カ月で離婚することを決心した。
 5年にわたる交際の末に結婚した夫だったが、いざ一緒になってみると、期待外れな部分があまりにも多かったためだという。
 食事の習慣から寝る時間に至るまで、何もかもが合わなかった。
 「こんな人だと分かっていれば、婚姻届の提出を遅らせた方がよかった。
 それでも、一生苦しむことを考えれば、合わないと思った時点で早く離婚した方がましだと思った」
と女性は語った。
 ソウル市では昨年、1日平均189組の男女が結婚した一方、55組が離婚した。

■離婚件数、2003年をピークに減少傾向

 1971年から昨年までの、ソウル市民の結婚と離婚の統計を見ると、71年には3787件にすぎなかった離婚件数は、2003年には3万2499件にまで増え、ピークに達した。
 ところが、04年の離婚件数は2万6994件と、前年に比べ約5500件も減少し、09年には2万3920件、10年には2万1768件と減少傾向をたどった。

 このような傾向は、婚姻(結婚)件数が減少したためだと考えられる。
 ソウル市民の婚姻件数は1991年に10万8370件に達したのをピークに、その後は急激な減少傾向が続いている。
 多くの場合、結婚から10数年後に離婚する夫婦が多いことを考慮すると、90年代初めまで大幅に増え続けピークに達した婚姻件数が、2000年代の離婚件数の増加に影響を与えたものと考えられる。
 90年代後半には婚姻件数が減り始めたため、2000年代後半には離婚件数も減少に転じたというわけだ。

 婚姻件数に対する離婚件数の比率を比較すると、1971年には婚姻件数10件当たりの離婚件数は0.8件だったが、その後離婚件数の比率が毎年増え続け、2003年には婚姻件数10件当たり4.5件に達した。
 その後、離婚件数の比率は減少に転じ、昨年には婚姻件数10件当たり3件となった。

 年齢別に見ると、男性は45-49歳、女性は40-44歳での離婚件数が最も多いことが分かった。
 昨年には45-49歳の既婚男性の0.91%、40-44歳の既婚女性の0.88%が離婚した。

■1日に230人が生まれ、115人が死亡

 昨年、ソウル市では1日平均230人が生まれ、115人が死亡した。
 同市民の平均年齢は39.7歳だった。
 学校に通う6-21歳の人口は、2008年の194万人(市民全体の19%)から、昨年には169万人(16.7%)と、25万人も減少した。

 とりわけ、小学生の数は同じ期間に63万3000人から46万9000人へと、16万4000人(25.9%)も減少した。
 だが一方で、小学校の数は08年の578校から昨年には597校と、むしろ増加した。

 これは1クラスに約70人の児童がいた1980年代とは違い、今はソウル市の小学校の教員1人が受け持つ児童数が15.8人に減少し、その分学校の数を増やす必要があったためだ。

 65歳以上のソウル市民は116万7000人で、市の人口の11.2%を占める。
 高齢者の5人に1人(21.7%)が一人暮らしで、その一人暮らしの7割は女性だ。
 これは男性よりも女性の平均寿命が延びているためだと考えられる。

■上昇の一途をたどるソウルの物価

 物価は20年前に比べ約2倍に上がった。
 下水道料金の上昇幅が9.3倍で最も大きかったが、2010年の指数を100とした場合、1993年に17.498だった下水道料金は、昨年には162.49にまで上昇した。

 同じ期間に上水道料金は5.3倍、軽油の価格は9倍に上昇した。
 また代表的な外食メニューであるチャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)とフライドチキンの値段はそれぞれ2.2倍、市内バスの料金は4倍、銭湯の料金は3.3倍となった。

 ソウル市の住宅戸数は354万8000戸で、普及率は97.5%となった。
 昨年に比べ個数は5万戸(1.4%)増加した。住宅の類型別に見ると、マンションが44.5%、低層集合住宅(賃貸)が31.2%、低層集合住宅(分譲)が14.8%だった。
 また、1日平均で717万7000人が地下鉄を、454万8000人がバスを利用した。






【描けない未来:中国の苦悩】





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2014年8月25日月曜日

中国の「外資たたき」:中国市場から外資企業の影響力を一掃することが最終的狙い

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 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える   2014年08月25日(Mon)  石 平 (中国問題・日中問題評論家)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4135

中国の「外資たたき」は新たな闘争の幕開け

 世界中で大きな波紋を呼んだ上海福喜食品の「期限切れ肉問題」が暴露されたのは7月20日、上海の衛星テレビ「東方衛視」の報道番組によってであった。

 同テレビ局が2カ月にも及ぶ潜入取材を行った結果、上海福喜の生産現場でさまざまな違反行為が行われていることを掴んだという。
 テレビで流された映像には、地面に落ちた肉を何事もなかったかのように戻す従業員の様子や表面が青く変色した期限切れの肉を平気で使用する場面がはっきりと映され、同社の杜撰な衛生管理の実態が明るみに出た。

■外資企業だから標的に?

 一連の報道は、日本では企業の不正に対するメデイアの正当な告発だと普通に理解されているが、中国国内ではむしろ最初から、「東方衛視」の報道ぶりの「異様さ」が注目の的となった。
 中国国内の食品加工メーカーなら、上海福喜食品よりも酷いケースはいくらでもあり、上海福喜食品のケースはむしろ「軽い方」の部類に属するものだからである。
 にもかかわらず、「東方衛視」は一体どうして上海福喜食品に照準を当ててあれほど執拗な「潜入取材」を断行したのか、との疑問があがってきているのである。

 たとえば、著名な経済学者である王福重氏は「東方衛視」報道の翌日に自分のブログで、
 「汚水を垂れ流し、ハエが飛び交い悪臭漂う国内の一部の企業はさらに悪質であるが、
 それに比べて衛生環境はむしろ良い方の上海福喜が標的にされたのは一体何故か」
との疑問を呈したが、それは多くの中国人たちの率直な感想を代弁したものであった。

 こうした中で、
 「上海福喜は外資企業だから対象にされたのではないか」
との見方が浮上してきた。
 上海福喜食品有限公司は、世界最大の食肉加工グループであるアメリカのOSIグループが上海に作った会社である。
 しかも中国との合弁会社ではなく、この時代には珍しい100%独資会社なのだ。

 人々の疑念をさらに深めたのは上海公安当局の動きだ。
 実は「東方衛視」でかの報道番組が流されたその日のうちに、上海公安局はすぐさま上海福喜食品に対する捜査に乗り出した。
 このような電光石火の早業は、中国国内では異例というよりもむしろ前代未聞のケースで、人々を大いに驚かせた。

 2日後の22日、上海市食品薬品監督管理局はさっそくこの問題についての見解を発表し、上海福喜食品公司での食品安全基準違反は従業員の個人的な行為ではなく、組織ぐるみのものだったとの認識を示した。

 監督当局の示したこのような認識は、上海福喜食品をよりいっそうの窮地に追い込んだ。
 「従業員の個人的な行為」ではなく、「組織ぐるみ」の行為だと認定されれば、企業そのものが全責任を負わなければならないことは明らかだ。
 しかし、問題発覚のわずか2日後に、本格的な調査も行っていないはずの当局は一体何を根拠に「組織ぐるみの行為」だと断定できたのか、それこそが大いなる疑問である。

 そして7月23日、上海の警察当局は、上海福喜食品が使用期限切れの食肉を出荷していたとされる問題を立件捜査し、既に5人を拘束したと明らかにした。
 問題発覚わずか3日後の当事者の拘束は、中国でももちろん異例の速さである。

 ここまでくると、7月20日における「東方衛視」の報道番組の放映は、単なる一テレビ局の単独行為であるとはとても思えなくなった。
 番組放映の当日に公安局が捜査に入ったということは、どう考えても、放映の前からテレビ局と公安局が既に「連携」していることの証拠ではないか。
 20日の番組放映と当日の捜査開始、その2日後の監督当局による「組織ぐるみ行為」の認定、さらに翌日の公安局による当事者の拘束――。
 わずか4日間で一気に展開したこの一連の動きは、まさに阿吽の呼吸とも言える見事な連携プレーではないか。

 もちろんその際、テレビ局と食品薬品監督管理局と公安局、行政上関係のないこの3つの機関をまとめて連携プレーをさせることの出来る唯一の上位組織は、すなわち共産党政権下の上海市政府であることは言うまでもない。
 つまり上海福喜食品問題に対する告発と摘発は、まさに政府当局の主導下で行われた政治的行為であることは明らかである。

■人民日報、国営中央テレビも批判

 それでは政府当局は一体なぜ、テレビや公安局などを総動員して、一外資企業に対してそれほど手の込んだ摘発を行ったのだろうか。

 その狙いを明確に示したのは、7月24日付の共産党機関紙の人民日報の関連記事である。
 この記事は上海福喜食品が米食品大手OSIグループの企業であることを強調し
 「外資系企業は海外では法律を守っているのに、なぜ中国ではそうしないのか」
と痛烈に批判した。
 そして同じ日に、国営中央テレビもウェブサイトで「国際的ファストフード企業が相次いで食品安全問題を起こしている。
 中国人の健康を軽視しているのか」と責め立てた。

 人民日報と中央テレビ局の背後に中国共産党政権があることは周知の事実であるから、中国の最高権威であるこの2つの宣伝機関が上述のような批判を行ったことで、2つの大事なポイントが確信に変わった。
★.一つは、上海福喜食品に対する摘発とそれに伴う一連の動きを主導したのはやはり共産党政権そのものであること。
★.そしてもう一つは、それを主導した
 共産党政権の狙いは、まさに外資企業たたき
であること、である。
 つまり、上海福喜食品問題に関するテレビ報道が流れた当日から、中国国内であがっていた
 「それは外資たたきではないのか」という疑念は、やはり事実であることが分かったのである。

 そして人民日報と中央テレビ局は今回の一件を「外資たたき」の方向へ持っていくと、それがあっという間に中国国内の圧倒的な世論となってしまい、中国市場で活動している関連企業は一斉に窮地に立たされた。
 こうした中で、上海福喜食品の親会社の米企業だけでなく、最大の仕入れ先のマクドナルドまでが謝罪に追い込まれた。
 マクドナルドの受けた経済的損失はさることながら、中国市場におけるその信用失墜も深刻なものであった。

■日系企業にも及ぶ外資たたきの波

 事態はすべて、中国政府の思惑通りに進行していた。
 しかし中国政府の狙いは単に一つ二つの食品関係企業をたたくことに留まらなかった。

 7月28日、上海福喜食品問題の暴露からわずか8日後に、中国当局は突如、米マイクロソフトの中国各地の事務所に対する立ち入り調査を一斉に開始した。
 マクドナルドとマイクロソフト、中国国内で絶大な人気を誇るこの2つの代表的米国企業がほぼ同時に捜査や調査の対象となっていることは、
 政権の狙いが外資企業の影響力を中国市場から一掃することであることを示している。

 そして8月6日、国家発展改革委員会は、日本の自動車関連企業12社や、独アウディ、米クライスラーなどを対象に、独占禁止法違反容疑で調査を進めていることを明らかにした。

 8月9日には、中国系の香港紙、文匯報(電子版)などが伝えたところによると、中国広東省の米系スーパー大手ウォルマートの店舗で、半月以上も使い回した食用油で揚げたフライドチキンを販売したり、虫が混入していたとして返品されたコメを店内のレストランで提供したりした疑いがあるとして、地元当局が立ち入り検査を行ったと伝えた。

 こうした中で、大きな災いはやがて、中国に進出している多くの日系企業にも降り掛かってきた。
 8月20日、中国の独占禁止法当局が日本の自動車部品メーカー12社に独禁法違反があったと認定し、10社に合計12億3500万元(約200億円)の制裁金を支払うよう命じた。
 価格カルテルを結ぶなど業界ぐるみで自動車部品の価格をつり上げる不正行為があったとの理由であるが、それらの日系企業が一体どのような不正行為を行ったか具体的なことはまったく不明で、中国当局が恣意的に断定しただけのことである。
 その一方、当局はさらにトヨタなど完成車大手に対しても輸入車や補修部品の価格を不正につり上げているとの疑いで調査を進めているという。

 以上が7月20日から8月20日までのわずか1カ月間における中国政府の外資たたきの全容である。
 人々の生活と密接していて関心の高い食品生産分野での外資企業の不正摘発から着手し、「外資が悪い」という世論を国内で醸し出した上で、間髪を容れず自動車メーカーなどの外資企業に対して「本丸攻め」を始めたわけである。
 その一連の動きはどう考えても、中国共産党政権の主導下で展開されており、共産党政権の用意周到さと戦略の巧妙さを存分に示した計画的な作戦であろう。
 どうやら彼らは、外資企業に対するスケールの大きな包囲戦を既に始めているのである。

■「新しい闘争を深く理解せよ」

 ではなぜ今この時期になって、共産党政権は一体何のために、どのような思惑を持って、外資企業に対してこれほどの大掛かりな作戦を開始することになったのか、その真意は一体何であるのか。
 実は、その謎を解く鍵の一つは、ちょうど作戦開始の7月下旬に人民日報に掲載された一通の重要論文にあるのである。

 7月23日、すなわち例の上海福喜食品の関係者5名が上海警察に拘束されたその日、中国共産党機関紙の人民日報は共産党中央党校韓慶祥副学長の論文を掲載した。「新しい闘争を深く理解せよ」と題するものである。

 共産党中央党校といえば、その名の通り、中国共産党の高級幹部の養成・研修を担当する党の「最高学校」である一方、党の政策方針を裏付けるための理論武装を整えるための党の最高理論機関としての役割をも担っている。
 昔の毛沢東主席や今の習近平主席もこの中央党校の「学長」を務めたことがあるから、その役割と地位の高さがうかがえる。

 前述の韓慶祥氏は中央党校の筆頭副学長である。
 名義上の学長は政治局常務委員の劉雲山氏が兼任しているから、韓氏は実質上の「学長」となっている。
 つまりこの韓氏の立場は、中国共産党政権の最高の理論的権威、あるいは共産党の理論武装の最高責任者、ということである。

■負けられない「市場争奪戦」

 そして前述の人民日報論文は、まさにこのような立場から書かれたものであるが、その中で韓氏は、「イデオロギー闘争」、「領土闘争」、「反腐敗闘争」など、共産党政権の直面する「8つの新しい闘争」を取り上げ、それらを勝ち抜くために「国内外の敵」と徹底的に戦うことを党員幹部に呼びかけた。

 中国の場合、中央党校副学長たる人は人民日報で「闘争」を提言すると、それは往々にして共産党政権の政策に反映されて実際の「闘争」となってしまうケースが多い。
 たとえば韓氏の論じたところの「反腐敗闘争」や「領土闘争」は今や実際、習近平政権がもっとも力を入れている内外政策の二つとなっていることは周知の通りだ。

 そして、前述の「8つの闘争」の一つとして、韓氏は「市場争奪戦」について述べ、
 「わが国の巨大市場を巡っての西側諸国との争奪戦は1日も止んだことがない」
と指摘した上で、そのための「闘争」を展開していくことを提言しているのである。

 確かに韓氏の言う通り、中国に進出した西側諸国の多くの企業は今、「13億の大市場」を狙って中国国内企業と熾烈な「争奪戦」を展開している。
 しかしそれはあくまでも正常なビジネス活動で、普通の商業競争の範疇に属するものである。
 第一、外資企業の中国進出を積極的に受け入れた時点で、中国政府は既に国内市場の一部は外資によって切り開かれることを容認しているはずであり、外資企業もまさにこのような前提において中国に進出したわけである。

 このような経緯からすれば、韓氏の論理はいかにも乱暴なものであることが分かる。
 中国政府は外資企業の中国市場進出を容認していたのに、今さらになって、政権党の理論的権威たる人物が、中国市場における外資企業の通常のビジネス活動を「中国市場の争奪戦」と捉えた。
 まさに政権党の立場から、それに対する「闘争」を宣したのだ。

 この論理からすれば、外資企業が中国市場で展開する競争・競合活動のすべては中国に対する「敵対行為」と見なされ、外資企業そのものは彼ら中国共産党の「闘争する」相手となるのである

 国際ビジネスの常識からしても韓氏の論理はデタラメなものであろうが、問題は、彼の提唱するところの、外資企業を相手とする「新たな闘争」は、今の習政権の実際の政策方針となってしまっている点である。
 そう、まさにこの韓氏論文が発表された7月下旬から、中国政府は上海福喜食品の摘発を皮切りにして、欧米や日本の自動車関係メーカーを中心とする大手外資企業に対する「たたき作戦」を一斉に開始したことは前述の通りだ。
 タイミング的に見ても、この一連の作戦展開の背後にあるのは、上述の韓氏論文の提言した「新たな闘争」であることは明らかであろう。

 こう考えてみると、上海福喜食品の摘発から日系企業12社に対する200億円罰金までの中国当局の一連の動きは決して無関係の個別事案ではないことが分かる。
 中国市場から外資企業の影響力を一掃することはまさに彼らの「闘争」の最終的狙い
なのであろう。
 実際、中国市場で大きなシェアと影響力を持つ食品や自動車分野の外資企業に照準を当てているのもまさにその故である。

 つまり、本来なら中国企業が主体となって
 ビジネス競争の手段をもって外資企業と戦うべきところの「中国市場争奪戦」を、
 共産党政権が政治的力をもってそれを代行しようとしているのだ。
 中国企業が国内市場の競争において外資企業に負けていれば、共産党政権は警察権力を含めた政治的力をもって外資をたたき潰して中国市場を奪い返す――。
 それが、中国当局が展開している外資企業たたき作戦の本質なのである。



サーチナニュース 2014-08-27 21:11
http://news.searchina.net/id/1541866

ブーメラン効果になっちゃう 日本企業への制裁で 「中国の自動車メーカーに危機が訪れる」=中国メディア

 中国の国家発展改革委員会(発改委)が日本の自動車関連企業12社が価格操作をしていたと認定し、
  うち10社に総額12億3540万元(約205億円)の制裁金の支払いを命じたことについて、
 中国メディアの中国質量新聞網は26日、
 「反独占調査を通じて中国メーカーの存在感はいっそう希薄になってしまった
と主張した。

 記事は、発改委が制裁金として支払いを命じた総額12億3540万元という金額は 「過去最大」の規模であると紹介し、発改委の公式ウェブサイトでは
 「日本企業12社はすでに中国の法律に則って事業を展開することを含めた業務の改善措置案を発改委に提出した」
と掲載されていることを伝え、
 「日本企業の“過ちを認める態度”はなかなかすばらしい」
と主張した。

  一方で、発改委が価格操作をしていたと認定した日本企業12社のうち、複数の企業が米国でも反独占行為で処罰されたことがあると指摘。
 その背景として、専門家の話を引用し、
 「日本の自動車部品は世界の自動車産業のなかで高いシェアを誇るため、価格操作を行うことができる条件下にある」
と伝えた。
 発改委による“反独占行為”の調査を受け、中国に進出している自動車メーカーが高級車の値下げを発表したり、部品価格の値下げを行ったりしていることを挙げ、
 「中国の自動車メーカーにとってはかつてない危機が訪れることになる」
と指摘。
  中国メーカーはブランド力や生産規模などにおいて、海外メーカーの自動車には「太刀打ちできない」と指摘。
 海外メーカーが車種や部品の値下げを行えば、中国メーカーの「価格優位」が打ち消され、中国メーカーが劣勢に立たされることは明らかだと指摘した。
  続けて、
 「発改委による“取り締まり”は本来、海外メーカーの独占を断ち切り、中国メーカーのブランド力を向上させることが目的だったはず」
とする一方、今回の反独占調査を通じて中国メーカーの存在感はいっそう希薄になってしまったと論じた。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月28日 8時57分
http://www.recordchina.co.jp/a93353.html

中国の「日本企業制裁」、外資メーカーの懸念招く
=「BMW・ベンツは“次は自分か”と様子うかがう」―米紙

 2014年8月28日、中国当局が日本の自動車部品メーカーに対し独占禁止法違反があったとして制裁金の支払いを命じたことが外資メーカーの懸念を呼んでいる。

  今月21日、日本の華字紙・中文導報は中国当局が20日に日本の自動車部品メーカー10社に計12億元(約200億円)の支払いを命じたと伝えた。
 中国のかつてない大規模な摘発に「次はどこか」という懸念が広がっている。

 この現状に対し米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、
 「アウディ、BMW、ベンツなども『次は自分か』と様子をうかがっている」
と報じ、韓国メディアは
 「中国では摘発範囲が拡大するに伴い、検挙する対象も大物が増えている」と伝えている。

 さらに、日本メディアは中国政府の制裁について、
 「背景には外資をたたき、自国企業を守る狙いがある」
と分析し、制裁が拡大すれば海外の対中投資に影響が出る可能性もあると指摘している。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月2日 9時54分
http://www.recordchina.co.jp/a93574.html

独禁法違反で制裁金200億円、日系企業の中国離れが加速か―中国

 2014年8月31日、RFI中国語版は記事「日本の対中投資が明らかに減速」を掲載した。

 先日、中国国家発展改革委員会は独占禁止法違反で日本企業12社に制裁金12億4000万元(約211億円)を科した。
 中国では外資系企業に対する独占禁止法違反の調査、処罰が相次いでいるが、
 この傾向が続けば対中投資の減少につながりかねないと日本世論は見ている。

 ある日本財界関係者は
 問題となったカルテルは昨日今日始まった問題ではなく、なぜ今になってこれほど厳しい処罰が科されたのかが問題だ
と指摘した。
 今年になって日本企業の対中投資は急速に減少している。
 1~7月の投資額は前年同期比45.4%減少となった。貿易額も昨年から減少が続いている。

 労働コスト上昇が続く中、中国は投資先としての魅力を失いつつある。
 今回の独占禁止法違反の処罰が中国離れを加速させる可能性もありそうだ。



サーチナニュース 2014-09-04 14:55
http://news.searchina.net/id/1542627

独占禁止の摘発強化
・・・中国政府関係者「撤退で圧力かける外資は自業自得の目にあうぞ」

 中国では独占行為があったとして、外資企業が罰金を言い渡される例が急増している。
  米国でも欧州連合でも、中国政府への不満が高まっている。
 中国政府・商務部研究院国際市場研究部の白明副主任は、外資側に高まる不満について、
 「中国企業も取り締まりの対象になっている」、
 「外資が引き上げなどを持ち出して威嚇した場合、最後には自業自得という目にあう」
などと批判した。
 中国新聞社が報じた。

 中国に進出した欧州連合(EU)系の企業団体である中国欧盟商会は8月 中国当局による「独占行為の取り締まり」について「不平等な扱いを受けている」と表明。
 米国系企業の団体である中国美国商会も2日、
 「中国国内で外国企業は日増しに、反独占法とその他の法律における公務執行の標的になっている。
 このような状況が改善されなければ、企業は投資を減らす可能性がある」
とするリポートを発表した。
  リポートによると、調査に応じた164社の約半数が、中国当局の調査を
 「(外資系企業を)選んでおり、独占禁止や食品安全の法律についての主観的な実施だ
との考えを調べた。
 リポートはさらに
 「中国では日増しに(企業活動についての)リスクを増大させている。
 すなわち、投資の目的地として人々を引きつける力を、永久に失いつつある
と主張した。

  中国欧盟商会は中国当局の動きについて
 「大きな問題が2つ存在すると言えるだろう。
1].まずは調査の透明性。
2].そして調査において外資が不平等な待遇を受けている
ことだ」
との声明を発表した。

  商務部研究院国際市場研究部の白明副主任は同問題について
 「調査を受けた外国企業は、欧米市場では規則をきちんと守っている。
 調査にもきわめて協力的だ。
 中国市場ではどうして、調査されるとこんなに多くの雑音がでるのだ?」
と不満を示した。
 白主任は、
 「市場経済では、市場の公平な秩序を維持し、市場参入者すべてを、平等に扱うことこそが、最も重要なことだ。
 中国企業だけでなく、外国企業に対しても、同じことが言える」、
 「ところが一部企業は中国ではいつも、市場経済の尺度で要求をするのに、自らの独占行為は見て見ぬふりをして、ひどい場合には自分のことを棚に上げて、他人を非難する」
と主張。
  現在進めている反独占の動きについては
 「外資の中国における発展の余地に圧力をかけるものではない。
 外資が中国市場で大きな利益を得ることは、非難すべきことではない。
 しかし独占行為にたよって度を越した利益を得れば、他の企業の発展のチャンスを損ねることになる。
 これは、公平な競争の実現では決してない」
と述べた。
  白主任はさらに
 「公平な競争は海外ブランドも保護し、民族ブランドも保護する。
 したがって、外資も中国資本も制限を受けることになる」
と主張。
 さらに
 「もしも外国企業が調査を受けた際に、投資を減らすと威嚇したならば、そのような短慮により、中国市場を失うことになる。
 最後は自業自得という目にあう」
との考えを示した。

  中国当局による「外国企業への規制強化」の最初の例は7月下旬、米国に本社を置く食肉加工などの多国籍企業、OSIグループ傘下の上海福喜集団が期限切れの鶏肉を混入させた製品を外食企業などに出荷していた事件だった。
  同事件の結果、日本などでも大手外食チェーンが使用している食材について「中国からの輸入品ではない」ことを店頭で表示するなどの騒ぎになるなど、それまでにも多発していた食品分野における「チャイナ・クオリティー」の問題が改めて注目されることになった。

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◆解説◆ 
 白主任の説明は、たしかに「正論」だ。
 しかし、反独占に対して外国企業側から強い不満の声が出ていることには、やはり理由がある。
   現在進行中の「反独占」の動きについて具体的な情報はあまり出てこないが、
 中国では従来から法や規則の運用が、その時、その時の状況や、担当者や指導者の個人的な考えの影響を強く受けきたという事情があった。
 世界のどの国でも似たような状況はあるが、
 中国の場合、担当者の裁量がとりわけ極めて強く働く
との指摘がある。
  かなり多くの場合、外資が優遇されてきたのは事実だ。
 ただし、現地当局が望まない業種の場合、極端に冷遇された事例もあるという。
 そのことから、外資が中国に進出する場合、拠点の選定が極めて重要とされた。
 中国側に歓迎されれば、破格の厚遇を受けることも珍しくなかった。
 進出する外資も、それを折りこみ済みで中国における活動を続けることになる。
   中国側が「規則を厳格に適用」するのなら、それは主権の行使でもあり、安直に非難することはできない。
 ただし、相手を納得させながら適正な速度でルール適用の「正常化」を進めるならともかく、
 「いきなりの実施」をしたのでは、外資の立場からすれば「話が違うではないか」
ということになる。
  また、中国当局には、規則を無理に適用して「外国いじめ」をした“実績”がある。
 よい例がレアアースの輸出停止だ。
 尖閣諸島の問題で日本と対立したため、日本経済を困窮させようとした。
   中国政府のやり方は容認できないとした日本、米国、EUは共同で世界貿易機関(WTO)に提訴。
 WTO側は2014年8月に、中国側の主張は認められないとの最終結論を出した。
 当局側が「規則きちんと適用」と説明しているにもかかわらず、企業側から強い反発が出ているのは、やはり異常だ。
 外資側が強く反発していることの一因には、法とルールの運用についての「チャイナ・クオリティー」の問題がある。
 別の言い方をすれば、
 中国当局は外国企業の信頼を得ていない
ということになる。


サーチナニュース 2014-08-21 12:47
http://news.searchina.net/id/1541232

中国・李克強首相
「規制緩和、もっと徹底せよ。政府は権限手放せ」
・・・官僚の根強い抵抗もほのめかす

 中国政府は20日、同日行われた国務院常務会議のうち、李克強首相が行政および経済改革について改めて示した強い意志を公式サイト上で紹介した。
 李首相は許認可事項の取り消しなど、規制緩和の徹底を訴えた。
 これまで中国政府は「やるべきでないことを多くやっていた」と主張し、思い切って権限を手放せと繰り返した。

  李首相が2013年3月に任期5年間で発足した同内閣のスローガンとして掲げているのが「簡政放権(簡素な政府、権限の手放し)」だ。
 このところ、急ピッチで進めているのが許認可事項の取り消しで、20日の国務院常務会議でも、87項目が取り消しまたは一部取り消された。
 李首相は、
 「(役人は)これまで、許認可の『丸つけ』を習慣的にやってきた。
 自分自身で権限を消滅させ続けよ」
と主張。
 政策担当者として
 「硬骨漢となり、障害物を駆逐せよ。思い切ってやらねばならない」
と述べた。
 李首相によると、政府がなすべきことは「許認可」ではなく、事業への参画を自由化した上で、法令や規則を順守しているか監視・監督することだ。
 そのことが経済を活性化するために不可欠という。
 20日に決まった許認可事項の取り消しについては8割程度が投資や企業経営に関係することだったと説明し、「中身があった」と評価した。
 会議において李首相は
 「目下のところ、経済情勢は依然として錯綜しており複雑だ。下押し圧力も強い」
と危機感を示した。
 ただし「就業状況は比較的安定」との見方を示し、その大きな理由として会社登記についての規制緩和を断行したことを挙げた。
  李首相によると、同規制緩和は企業登記を600万件増やす効果をもたらし1000万人以上の雇用が発生した。
 李首相は「
 経済を安定して発展させる根本的な目的は雇用機会を確保することだ。
 『簡政放権』は創業、起業に道筋をつけ、企業の発展の足かせをはずすために、大きな役割を果たす
と述べた。
  李首相は「政府はやるべきでないことを、やりすぎてきた」と述べ、政府と市場の正常な関係を築くべきと主張。
 さらに、官僚による報告書について
 「モデル・パターンとかモデル地域との言葉を使い、見た目は素晴らしいが、庶民が実際に起業しようとしても、依然として極めて困難な場合がある」
と批判した。
 現実的な問題点としては
 「(官僚組織が)形式的には権限を放棄していても、実際には放棄していない」
との現象が存在する指摘。
 改革というパイプを詰まらせる障害物を出現させてはならないと述べ
 「国務院常務会議で決まり、政府各部門(のトップも)了承した作業は、絶対に実行させねばならない」
と強調した。
  李首相は、規制緩和した後には、政府部門の監視と監督が重用になると説明。
 例として、知的財産権を侵害するいわゆる「パクリ製品」の問題、さらに人々の健康や安全を脅かす食の問題が次々に発生していることを取り上げ、「法治が不健全で監視と監督が不十分だからだ」と、同問題では政府がやるべきことをやっていないとの見方を示した。
  李首相は、現在進めている政府の改革を「自己革命」と位置づけ、
 「絶対に掘り進めていかねばならない。
 さもなくば、過度に投資に依存する、古い道に逆戻りだ」
と述べた。
 中国はどうしても「現代的な政府」を樹立する必要があるという。

 **********

 ◆解説◆ 
 李首相は、経済の発展にとって「過度に投資に依存する、古い道に逆戻りだ」と表現した。
 李首相が規制緩和で狙っているのは内需の拡大だ。
 そして、規制緩和の障害となるのが既得権益層であり、権限を手放したがらない官僚だ。
   一方で、習近平国家主席は腐敗撲滅に力を入れている。
 どの程度の効果をもたらすかは不明な点もあるが、「腐敗」に手を染めるのはたいていの場合「既得権益層」だ。
 現在のところ、既得権益層は腐敗撲滅に対する“防衛”に懸命で、李克強首相の規制緩和に対する“抵抗力”は弱まっていると考えられる。
 この点では、李克強首相にとっては「追い風」の状況と言える。
   ただし、このところの発表や報道を見ると、李克強首相は官僚の抵抗には、相当に手こずっているようにも見える。
 官僚の中には「そこまでやったら、大きな問題が出る」と、「官僚としての良心にもとづき抵抗する」場合もあるので、話はややこしくなる。
 中国で、首相が経済分野の改革に全力で取り組んだ事例としては、朱鎔基首相(在任:)による国有企業の改革がある。
 多くの国有企業および関連企業を株式会社化して上場させた。
 ただし、外資を含めて一部の者が資産価値の見積もりを操作するなどで、「国有資産を有利な条件で取得した」との批判が出た。
 朱鎔基首相は、急激な改革にともなう弊害もある程度折りこみ済みで、国有企業改革を強引に進めた可能性がある。




【描けない未来:中国の苦悩】




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