2014年11月27日木曜日

アフリカの中国海軍基地:寄港基地の半分の10カ所余りの建設、アフリカにおける中国の存在感

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● 朝鮮日報


 海軍を有効的に動かすに欠かせないのは海外基地。
 艦船はかならずどこかに寄港して物資補給しないといけない。
 補給基地をもたない海軍は張り子のトラになる。
 中国はそれをアフリカに求めた、ということである。
 アジアでは中国の恫喝的外交を見せられいるため周辺国がなかなかウンといわない。
 もちろん、ヨーロッパはダメ。
 南アメリカには食い込んでいるが、ここは米国の支配地域。
 残るはアフリカということになる。
 アフリカは中国の裏庭であり、多額の資金をつぎ込んでいる。
 地理的にみればヨーロッパの裏庭になるはずであったのだが、かけた金銭にみあうだけの見返りがなかったために放棄した地域。
 そんな場所に食い込んでいったのが中国。
 よってアフリカにとって中国は発展の恩人。
 海軍基地の提供くらいは見返りに提供しないといけないと思うのは人情。 


朝鮮日報 記事入力 : 2014/11/27 09:13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/11/27/2014112701042.html

アフリカの海狙う中国海軍、現地では否定的反応も

 中国が資源開発と市場開拓を掲げ、アフリカに海軍基地10カ所余りの建設を目指している。
 経済力に続き、軍事力まで動員している格好だ。
 19世紀に英国、フランスなど西欧の列強がアフリカを植民地化した際の名分と経緯を連想させる。

 ナミビアの英字紙、ナミビアンは最近、中国がナミビアのウォルビス湾に海軍の補給基地を建設すると伝えた。
 ナミビア国防省の報道官も「両国高官が協議を行っている」と認めた。
 英国の軍事専門誌「IHSジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」はこのほど、
 中国が「世界20カ所余り」に海軍の拠点港湾を設けようとしており、
 うち「10カ所以上がアフリカに集中」していると伝えた。
 中国はアフリカ西部でナイジェリアのラゴス港、アンゴラのルアンダ港を、東部ではケニアのモンバサ港、タンザニアのダルエスサラーム港を狙っている。
 ジブチ、モザンビークのマプト、マダガスカル、セーシェルには既に中国の海上補給施設が設けられている。

 中国はアフリカとの資源・貿易取引が増えているため、タンカーや商船を保護するには海軍基地が必要だと主張する。
 中国とアフリカによる貿易総額は2001年の10億ドルから昨年には2102億ドルへと12年間で200倍に増加した。
 アフリカ産原油が中国の原油輸入に占める割合も2000年代初めの10%台から最近は40%台
に高まった。

 中国の週刊紙、国際先駆導報は「中国の海軍基地は米国のような(攻撃用の)軍事基地ではない」と指摘した。
 しかし、最近中国海軍はアフリカの東・西海岸に頻繁に姿を見せ、パワーを誇示している。
 今年6月にも中国の最新型護衛艦「塩城号」と「洛陽号」がアフリカ西部のギニア湾でカメルーン海軍と海賊取り締まりに向けた合同演習を行った。
 東部のアデン湾では現在、中国の艦船が海賊取り締まりの任務を担っている。
 同紙は中国海軍の海外拠点が
▲:燃料・物資の単純補給地
▲:偵察機の離発着基地と兵士の休息地
▲:大型艦船と平気整備が可能な拠点
―という3段階に分かれると指摘した。

 中国は伝統的に大陸国家だが、過去には世界の覇権国がいずれも海を掌握し、経済領土を拡張した歴史がある。
 中国国営中央テレビ(CCTV)のドキュメンタリー「大国崛起(くっき)」は、15世紀以降、スペイン、英国、米国など順に登場した覇権国の共通点として「海軍力」を挙げた。
 中国が昨年だけで28隻の戦艦、潜水艦を配備したのもそうした考えが背景にあるからだ。

 中国が商船保護を名目に海軍力を投入することについて、アフリカでは否定的な世論も少なくない。
 19世紀の西欧の列強に差し出した拠点港湾が植民地収奪のルートになった経験があるためだ。
 中国の海軍基地計画を報じたナミビアンの記事には、読者から
 「一度入ってくれば、中国軍を追い出すことは絶対にできない」
 「中国の植民地になりかねない」
という書き込みがあった。



2015.01.22(木)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42732

アフリカにおける中国の存在感:
大勢の中の1人
(英エコノミスト誌 2015年1月17日号)


*1=米ニューヨーク・タイムズ紙の元特派員、ハワード・フレンチ氏の著書『China's Second Continent: How a Million Migrants Are Building a New Empire in Africa』


中国はアフリカで大きくなった。今度は反発を食らう番だ。

 アフリカ各地で、ラジオのリスナー参加番組が、金持ちの中国人男性に配偶者やパートナーを奪われたことを嘆くアフリカ人――大抵は男性――の話で持ち切りになっている。
 「あいつはピグミーみたいに背が低くて不細工に見えるけど、カネがあるんだろう」。
 最近ケニアのラジオ番組に電話をかけてきた、ある失恋した男性はこう愚痴をこぼしていた。
 それが事実であれ、空想の産物であれ、こうした話は、アフリカの中国人ビジネスマンの経済力と思われているもの、そして彼らに対して高まる反発について多くを語っている。

■政府間関係の蜜月は続くが・・・

 中国はアフリカにとって断トツに大きい貿易相手国になり、年間1600億ドル相当の物資を売買している。
 過去10年間で100万人以上の中国人――大半が肉体労働者と商人――がアフリカ大陸に移り住んだ。
 政府間の相思相愛状態は今も続いており、ますます多くのアフリカの道路や鉱山が中国企業によって建設、開発されている。

 だが、アフリカが中国化する
――あるいは、ある米国の書籍の題名を借りれば「中国の第2の大陸」になる――という話は大げさだ。
 中国が近年後押ししてきたアフリカの好景気は、他の多くの投資家を引きつけている。
 欧米以外の投資家は特に熾烈な競争を繰り広げている。
 アフリカ諸国とインドの貿易は、今年1000億ドルに達する見込みだ。
 インドとの貿易は対中貿易よりも速いペースで拡大しており、対米貿易を追い越す可能性が高い。

 ブラジルとトルコは、多くの欧州諸国に取って代わっている。
 ただし、アフリカへの投資という点では、中国は英国、米国、イタリアに後れを取っている(図参照)。

■アフリカの先へ目を向ける中国

 中国人ビジネスマンがこの競争に動じていないように見えるとすれば、それは部分的には、彼ら自身がアフリカ大陸の外に目を向けているからだ。
 「ここはビジネスにうってつけの場所だが、世界中にはいい場所がたくさんある」。
 ケニアで建設現場監督として働く日焼けしたホー・リングオさんはこう言う。
 彼はベネズエラに移りたいと思っている。
 今から10年前、中国経済が離陸した頃には、アフリカは外国投資にとって競争相手がなく、いい練習場であるように見えた。
 だが最近では、中国の野心は、世界一貧しい大陸でビジネスを獲得したり、コモディティー(商品)へのアクセスを求めたりすることより大きなものになっている。

 中国の指導者たちがタンザニアのような国に長期の公式訪問をする時代は、もう終わろうとしている。
 中国の習近平国家主席は代わりに、今後10年間で中南米に2500億ドル投資すると約束している。
 中国のコモディティー需要の伸びは鈍化しており、多くの原材料の価格が下落している。
 とはいえ、中国の人口が増加し、中間層が豊かになるにつれ、農産物、そして、ことによれば農地に対する中国の需要は拡大するかもしれない。

■市民社会の発展

 だが、アフリカ人は、不公正な取引や環境被害を懸念して、中国企業に対してますます懐疑的になっている。
 高い透明性や人権への責任を求める市民社会がアフリカで育っていることで、抵抗が強まっているのだ。
 これは権威主義の中国にとって、馴染みのない挑戦になるかもしれない。
 何しろ、
 中国の外交政策は政府同士の国家間関係に大きく依存しており、
 アフリカの支配者とアフリカの市民の間の大きな隔たりにほとんど配慮していない。

 セネガルでは昨年、住民団体が、首都ダカール中心部の一等地にある不動産を中国の開発業者に譲り渡すことになるはずだった取引を阻止した。
 タンザニアでは、中国人露天商に認可を与えたとして、労働組合が政府を批判した。
 アフリカの当局者の中には、中国への批判を声に出す者もいる。
 ナイジェリアの前中央銀行総裁、ラミド・サヌシ氏は、アフリカは「帝国主義の新形態」に身をさらしていると話す。
 中国が、技術移転をもたらさずに、アフリカの一次産品を買ってアフリカに工業製品を売っている、ということだ。

 何年にもわたり「ウィン・ウィン」の相互関係について当たり障りのない話をしてきた後で、中国は遅ればせながら問題に気づいたようだ。
 中国の王毅外相はアフリカを訪問中の1月12日、
 「我々は欧米の植民地開拓者の古い道は絶対に歩まない」
と述べた。
 李克強首相は昨年5月、アフリカと中国の関係の「成長痛」を認めた。

 中国はアフリカでは政治的野心をほとんど持っていない。
 中国は、独裁政権と同じくらい民主主義国とも手を組んでいる。
 中国の援助予算は微々たるものだ。
 中国が派遣したわずかな平和維持軍は、危険な目に遭わないところにいる。

 中国の協調組合主義の発展モデルは、エチオピアやルワンダ以外では、ほとんど信奉者を引きつけていない。
 急成長するアフリカ諸国の大半は欧米の自由市場の考え方に従っている。
 中国が外交力を振るおうとした南スーダンでは、ほとんど何も達成していない。
 南スーダンの石油供給を危険にさらしている内戦を食い止める試みは、無残にも失敗した。

■当の中国人移住者は?

 アフリカに移住した中国人たちは、彼らが地元住民に対して威張れるという考えに含み笑いする。
 中国人移住者の大半は、ザンビアのような2番手グループの国に集まっている。
 競争の熾烈なナイジェリアでは、それほど大きな存在感はない。
 他国の在留外国人と異なり、彼らは棲み分けされた施設で生活することが多い。

 10年間にわたる精力的な関与を経て、中国がアフリカを支配するようになると思った人もいる。
 実際は、中国は単に優位性を求めて争う大勢の外国人投資家の1人となりそうだ。

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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。





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