2014年12月28日日曜日

「日本に圧力」と伝え続けて1年近く?:動画も公開されていない「世界最大の飛行艇」の宣伝、いつ姿が見えてくるのだろう

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サーチナニュース 2014-12-27 22:23
http://news.searchina.net/id/1555191?page=1

「世界最大の飛行艇」と中国メディア
「日本に圧力」と伝え続けて1年近く・・・新明和「US-2」を意識

●)(写真は環球網の1月26日付報道の画面キャプチャ)

 中国のインターネットメディアでは2014年になってから、
 中国が開発中の大型飛行艇「蛟龍600(JL-600)」が日本に圧力をかける
といった報道が続いている。

 最初は人民日報系の環球網が1月26日付で掲載したとみられるが、12月になっても人民日報系の人民網(広西チャンネル、重慶チャンネル。
 いずれも23日付)が同じ記事を転載するなどの現象が続いている。
  記事からは、日本の新明和工業(本社・兵庫県宝塚市)が開発した飛行艇の「US-2」への対抗心を強く感じる。
 「中国はこの機(JL-600)によって、日本の飛行艇US-2を一気に抜いて、世界最大の飛行艇製造国になる」
などと紹介した。
  JL-600については
「森林火災を消火する際には、20秒内に水1万2000キログラムを汲み、水源と火災現場を往復しながら水を投下できる」、
「水難事故では、高度50メートルで安定飛行ができ、水面に停泊をして50人の救助が可能」
などと紹介した。

  US-2についても高い能力を詳細に紹介して、
「他国の生産する飛行艇に比べて相当に優勢だ」
と評価したが、JL-600との比較はしなかった。
 記事は、2013年に安倍首相とインドのモディ首相がが東京で会談した際、US-2の対インド輸出で基本的に合意したことにも触れた。
 両首脳は11月に訪問先のオーストラリアで会談し、US-2のインドへの輸出について作業を加速することで合意した。

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◆解説◆
  現在生産されている大型飛行艇としては、US-2以外にカナダ・ボンバルディアのCL-415、ロシア・ベリエフのBe-200などがある。
  大型飛行艇は災害時の出動などが主な用途とされているため、
 重視されるのは大きさではなく、むしろ「極限状態での使用が可能性」だ。

 例えばUS-2の場合、離着水が可能な最大の波高が3メートルで、
CL-415の1.8メートル、Be-200の1.2メートルを大きく引き離している。
 つまり、US-2は外洋でも使いやすい飛行艇と言える。
 逆に、湖など狭い水面からの離着水が求められる場合もある。
 US-2の離水距離/着水距離は280/330メートルだ。
 一方で、CL-415は808/665メートル、Be-200は1000/1300メートルと、
 US-2は「狭い水面での離着水にも圧倒的に強い」ことになる。  
 航続距離については、US-2が4500キロメートル。
 CL-4は2326キロメートル、Be-200は3300キロメートルだ。
 US-2は離島などで発生した緊急事態にも対応しやすいことになる。

  JL-600の開発を手掛けるのは中国航空集団公司だが、同機についての離着水可能波高や離水距離/着水距離については伝えられていない。
 航続距離については2011年時点で5000キロメートルとの数字が発表されており、US-2を上回る可能性がある。

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 新明和工業の前身は1928年に川西機械製作所から独立した川西航空機。
 川西航空機は終戦までに「九七式飛行艇」、「二式飛行艇(二式大艇)」などの大型飛行艇を開発した。
 特に「二式飛行艇」は、当時最高の性能を持つ傑作飛行艇とされた。
 同社は水上戦闘機の「強風」をベースして、陸上戦闘機「紫電」を開発。さらに「紫電」を大幅に改造し「紫電改」を開発した。
 「紫電改」はエンジンの性能や高品質の燃料を使えなかったことで、特に高高度での作戦行動に問題があったが、自動空戦フラップや層流翼などにより極めて高い性能を発揮した。
 米軍も「紫電改」を高く評価した。



蛟龍600(JL-600)

注].ところが、どういうわけか肝心の「JL-600」の動画を探したのだが見つからない。
 本当に飛んでいるのだろうか。

中國蛟龍 600最新水上飛機—反艦殺手

●2014/02/07 に公開

中國蛟龍600水陸兩棲飛機總裝 將成"世界最大"

●2014/10/06 に公開




US-2

 「US-2」の動画を載せます。

救難飛行艇US-2羽田空港離陸

2013/06/29 に公開

US-2(救難飛行艇) JMSDF Fleet Review 2009/2012

2013/02/17 に公開